第6話降臨大黒ちゃんと黒闇ちゃん

サボテンの花が咲いた朝、黒田の家の運転手に家の場所を伝え家に帰ると何やら家が騒々しい、遊んでいる声が聞こえる。ゆりえの友達か?家に入ると、くに部長が迎えてくれた。目が学者モードだった。

「大黒天と黒闇天が結界を張ったら可視というか顕現していた。何をいっているかわからんだろうがスマホで録画した映像があるから見てくれ」

「こら黒闇わしが祝福をあたえた人間をあんなにいじめるなんて妹のクセに生意気じゃぞ」

「けど姉さん昔は殺すまで追い込みをかけていた私ですが今はせいぜい半殺しじゃないですか」

「力が弱まったからじゃろうが言い訳するな」

「試練だからだしこれが黒闇天の仕事ゆえ、あとは人間と話して幸福にするか不幸にするか決める最後の段階じゃないですか。このような取っ組み合いをしていては威厳というものが…あ!見られてますカラクリで録画されてます」

「君達は大黒天と黒闇天かい?」

「いかにも」

「録画を止めないとそのカラクリに致命的なウィルスを送ります」

見た目はかわいいロリなのに会話が物騒だ。これが神様か。

「くに部長神様は今なにを?」

「妹君とすごろくしているよ」

マジで!俺はすぐ居間にむかった。

「大黒ちゃんはいい目がですぎだから1回ふったら2回休み黒闇ちゃんは弱いから1ターンに6回行動のルールにしても1着大黒2着私ビリ黒闇で同じツマンナイ」

「ゆりえさん運の要素が少ない将棋ならばこの黒闇1着です」

「妹よそれはわしを馬鹿にしとるのか」

「裸玉でも私に勝てないのになにを言ってるのでしょう」

「あたし将棋分かんない」

「姉さん時間潰しはこれまでのようです」

「こんにちわ神様」

「我らが姉妹が祝福と呪いの試練を与えし者よ来たか、よし面接じゃ」

「浮気しとらんか」

「告白や誘惑がありましたが月夜さん一筋です」

「友達は大事にしとるか」

「はい黒田と喜瀬はマブダチです」

「ゲロを吐いた酔っ払いはどうした?」

「スマホでタクシーを呼びました」

「子供の放火魔はどうした」

「マッチを奪って軽く怒った後そのマッチで暖を取りました」

「家が燃えたほうが暖かいではないか?」

「そんなことを言ってるあんたを殴りたいです」

「なるほど最後の質問じゃ、何故家に戻らなかった」

「妹が大事だったからです」

「姉さんこの人間に私達を騙そうというオーラがありません」

「うむ合格じゃ何でも…といいたいところじゃが我が神社の管理をするものがいなくなっての1億円の範囲の願いを叶えよう」

「妹は転勤族の親のせいで友達づくりが苦手なようです。記憶喪失の俺でも分かるほどで友達の話しになるとすぐ話題を変えます。神様と遊んでいる妹は生き生きしていました。だから、妹の1億円分の友達になってやってください!」

「あっぱれ、そんなに善人だと苦労するぞ、そんなお前に幸せか不幸を与える以外の第3の道で苦労してもらおう」

「なんですか?妹の友達になってくれるならいいですよ」

「我らの仕事を手伝いゆくゆくは神社の復興でこの街にいる邪悪なモノの一掃できるほどの力を取り戻す助けになってくれ」

「日曜日とかの暇な時ならいいですよ」

「それでよい第1の仕事は神主的な人員の確保じゃ」

「大黒ちゃんは頭が悪いですね」

「姉さんこの者のいう通りです。僅かな時間で達成されるでしょう」

「くに部長神主的な人員に心当たりは?」

「オカルト民俗学部総員で構わないかね神の諸君!」

「お前か。確かに見事な結界じゃったが。お主以外戦力になるのか?」

「記憶をイメージにして送る」

「神とイメージのシンクロじゃと?できるはずが…ンーあばば入ってくるぞ、お主褒めて遣わす。何々法力、超能力者、退魔師、陰陽師、魔術師これらの能力者のステータスは…なんということじゃ…!今の力の我らを全員でかかってこられたら倒せるほどではないか!神ごろしの6英傑!恐ろしい…!」

黒闇ちゃんも冷や汗をかいていた。

「安心したまえ神の諸君!赤井部員の妹君といっしょに遊びし姿悪神にあらず!我らが殺すは邪悪なる者なり!」

「姉さん!神社復興への道がはっきりイメージできます」

「土着の悪神め記憶喪失にする者を間違えたようだな…ククク勝てるぞ!」

俺はゆりえの友達になってくれればそれでいいのに神様も忙しいな。

「大黒ちゃん、黒闇ちゃん劇の練習終わった?」

「終わりました。名演技でしたか」

「大黒ちゃんみたいに感情込めなきゃ、棒読みすぎ」

「善処します」

「そうだみんなでヘリオスパーティーやろうよコントローラーも足りてるし友達とやるの楽しみにしてたんだ!」

「神様操作方法とルールをイメージします」

「なるほどすごろくにいろいろな遊戯を合わせたのか楽しめそうだ」

「運の要素が強いので姉さんの邪魔をして楽しみましょう」

「くに部長俺たちもそうしましょう」

「そうだな妹君はそろそろ1着になっていい」

「何者の邪魔があろうと我が幸運の前に敵無し」

6時間後。

「信じられんわしが10回中3回しか1着が取れんとは!」

「三人の妨害をうけて勝てるゲームバランスではないのに勝つ姉さんの運が異常なのです」

「赤井部員、神は強いな」

「ええどれだけ加減しても全部ビリの黒闇ちゃんも相当なものだ」

「1着7回大勝利」

勝ったことより友達と一緒に遊んでることのほうが嬉しいんだよな。よかったなゆりえ。

「ゆりえ君私達はもう帰るよ。赤井部員放課後は神社集合だ。後で地図を送る」

神様のお使いの日々が始まる。人生デビュー

。ワクワクする。明日もいい日だといいな。月夜さんとバスケマンガのはなしがしたい。と思っている内に眠くなった。いつもそっけないゆりえが歳相応の笑顔はよかった。夢に出てきたほど破壊力があった。起きたら月夜さんがいた。

「黒田君から聞いたよ。大変だったって、宿題忘れてるでしょ」

俺は飛び起きて、

「写させて下さい」

はいはいとノートを取りだす月夜さんであった。

「監督が入院しちゃってさ…部活に張り合いがなくなっちゃった、すぐ帰ってくると思うけど」

「バスケマンガ大人買いしてさ。読んだら面白い勇気が出る。だから監督が帰ってくるまではそれで気合いいれたら?」

「そうね昼休みに君と話すか!語り会いましょう」

元気になったようでよかった。







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