第35話 生きます

「5分くらい考えてる」


「おおー!優秀(笑)私は20時間くらい考えてるよ」


「じゃあな、クソして寝ろ(笑)」


「なにそれ(笑)ひどい」


「可愛いな、しの」


「嬉しい!こんな時だからたまにはイチャイチャトークしてよ。もー」


「ムリだよ、そんなの。ムリにきまってんだろ」


「『ムリにきまってんだろ?』なんでよもー!いいじゃん、たまには。いつも真面目じゃん、私たち」


「死んじゃえ」


「違う、バカ」


「え?違うの。しの死んじゃえ」


「生きます!おにいちゃんの従業員、変わりなく働いてるの?」


「働いてるよ。変わりなく」


「そんなに変わらないんだ?」


「そうだね。とくに変わりなく。うちは」


「変わんないところは変わんないんだね、全然。私も昼間変わんないもん」


「仕事は減ってくるよね」


「だんだん、だんだんね」


「そうそう」


「おにいちゃんこそ変わっちゃったもんね、ずっと県外だったのにさ」


「うん」


「ずっと事務所で仕事でしょ?」


「うん」


「じゃあ仕事してるのね」


「うん、出来ることやっとかないとさ」


「ご飯食べたの?」


「今食べる。頑張りましょうな」


「頑張ろう。じゃあアレだね、またね」


「はいよ、じゃあまたな」


「頑張って」


「はいよ、じゃあまたねー」


「はーい」






              通話時間1:26:45











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

あなたと電話 2020年4月21日 しの @anatato

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ