第2話 【ぼくの夢……】
なかなかに厳しい経済状況にある
それは
【僕の夢。それは、月々の安定収入があって、人前で不必要に目立たなくても良く、そして、休みの日にはバーチャルででも良いから、いろんな世界をのんびり楽しむことができる、そんな仕事に就くこと。しかも、高校を卒業すると同時に】
公務員?
高卒資格の公務職は狭き門である上に、基本的に準公務員契約。月々の給料が安めなのはさておいて、準公務員では市民の皆さんの窓口業務に就くことは避けられない。
近頃の窓口業務は、基本的にAIロボットがこなす。
ただし、あえてAIマニュアル化するほどでもない、特殊な苦情や謎のトラブルが窓口業務では起こりがちだ。そうした個別のトラブル対応の担い手が、窓口業務にあたる準公務員さん。小柄色白な
他方、一般企業でも高卒向けの求人の多くは営業職。
直接に顔を合わせるわけではないにしても、ビデオ・ミーティングでの営業トークは、人前で話すことが苦手な
✧
しかして、学院のサイナー学部の卒業生は、書類作成が中心の仕事に就くことができる。
サイナー学部を卒業するここで、日本の高校卒業資格に加え、
国民総投資の制度下では、16歳で仮成人した全市民には、基礎収入としてSI《エスアイ》ポイントが毎月交付されていく。このポイント制度を運用する裏方を担うのが
この新資格を取得し、日々の書類作成をするお仕事に就くことこそが、
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