ワンウェイ✧エコノミカ ～ 僕ッ娘エルフとホムンクルス・アマゾネスが特別奨学生の務めで経済小噺アバターとなるまでのアレコレ

小噺「うしさんと学ぶ投資の基礎」放課後撮影会

ミスター・ストック「ボンドよ、今日は牧場に行くぞ～」

ジェリー・ボンド「お～、新鮮ミルクで作った美味しい、そふとくりぃむを食べるのだ～」

ミスター・ストック「ふふふ、ボンドよ。まだまだ、お子さまだのう。僕はチーズハンバーグを食べるのだぁ」

ジェリー・ボンド「ぼんどもチーズハンバーグを食べるのだぁ」

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　小学生向けの投資小噺「うしさんと学ぶ投資の基礎」の台本をストック役の栄作心春（えいさくきよはる）と、ボンド役の白井ホリーナが読み合わせを行っていく。

　乳牛酪農家の経営を債権（ボンド）に、肉牛酪農家の経営を株式（ストック）に例えたストーリー。シナリオ担当の詩（うた）の狙いは、投資ポートフォリオの基礎となる債権（ボンド）と株式（ストック）の概念を小学生たちに伝えること。

　果たして、狙い通りにいくものか。

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　まもなく始まる収録のため、２人は着替えを終えた。

　心春（きよはる）は、ピンクのワンピース姿。スカート丈は少し短めなのは近時のエルフ・コスプレの例にならったとのこと。ホリーナが身にまとうはオレンジ色のビキニの上下のみ。天界のアマゾネス役という謎の役どころに合わせての露出度高めなディフォルト設定である。

　サイナー学院地下にある視聴覚室で行われる２人のビデオ撮影会は、男子禁制で行われる（生物学的分類は男子な心春（きよはる）だが、女子扱いが通例（ディフォルト））。

　撮影担当は、映像クリエイターを目指す、美里夢（みりむ）。彼女が撮影する映像は、ＡＩコンバーターによりリアルタイムにアバター化されていく。

　すなわち、プレビューモニターに映るのは、銀髪ボブカットな百歳のエルフ娘のアバターと、十歳の金髪娘、天界のアマゾネスのアバター。もちろん、エルフの娘設定なので、銀髪ボブカットなエルフも見た目は十歳くらいのアバターだ。

　２つのアバターの服装はそれぞれ、心春（きよはる）のワンピース姿と、ホリーナのビキニ姿と同一。２人の着替えは、ＡＩコンバーターの変換精度を高めるためのもの。

「銀は百歳、金は十歳」の掛け声から始まる、いつものＯＰのダンス。

今日の２人は、圧縮学習の助けを借りてマスターした改良版のダンスを踊る。

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（僕は、今では抵抗感なくピンクのワンピース姿となれているよな）

　心春（きよはる）は、そうした心情の変化を少し不思議に思いながらも受け入れていた。

　みんなのおかげだった。そして、心春（きよはる）の夢の中のロング・ストーリーをホリーナが聞いてくれているおかげだった。

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　時は、国民総投資家時代の２１世紀末。

　これは、苦学生の栄作心春（えいさくきよはる）が、男性恐怖症を克服し経済的に自立できるようになるまでの短いようで長いストーリー。そして、二代目抜け殻ホムンクルスの白井ホリーナが、望外に心を獲得していくロマンス・ストーリー。