午前1時

バイクの音で目が覚めた。

外から聞こえる馴染みの音で、コールが鳴らされる。


ブーンブーンブッブーンブーン

ブッブーン

ブーンブーンブッブーンブッ

ブッブーンブッブーンブーン

ブーンブッブーンブーンブッ


ア、イ、シ、テ、ル。


ここ、田舎とはいえもう真夜中なんだけど。あたしだってもう寝てたし。苦情が来たらどうしてくれるのよ。

そもそもあたしが寝てて聞いてなかったらどうすんのよ。

こんな無駄な技術ばっか磨きやがって、あいつ! こんなことしたってこの前ドタキャンしたことはチャラになんないのよ!


「………あーあ」


バイクの音が再び聞こえる。彼は帰っていくのだろう。音が少しずつ小さくなる。

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