(四)-5(了)

「そう。よくできていたでしょう。今でもそれに気づいた生身の人間はいないわね。このことを知るのは、一部の役人とAI開発関係者と、あなただけよ」

「しかもこの三つをプロトタイプとして、発展型AIが今でも教育現場で活躍しています。今は実験というよりも子どもの教育支援が目的ですけどね。すでに生徒全体の約四分の一がAIなんですよ」

「同級生のその後を知った感想は、いかがかしら」

 意地の悪い笑顔で博士は言った。

 町中の警備員やコンビニの店員、建設作業現場などでアンドロイドなどを見かけることは以前から多かった。しかし、まさか中学のクラスメートがそうだとは思いもしなかった。

 俺はその事実にただただ驚くしかなかった。電源を落とされた目の前のサムと同じく、言葉が出なかった。


(了)

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同級生のその後(『魂の間合い』続編) 【い-14】文学フリマ京都_筑紫榛名 @HarunaTsukushi

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