明日があるってこと

くうき

明日があるってこと。

 死ぬことが怖い。そう思ったその日、僕の祖父は亡くなった。

 これは、約3年前の話だ。今じゃもう親の実家へ帰省することが困難だが会って話せていたあの貴重な時間が3年前に無くなった。当たり前だ。人は死ぬ。それくらいわかっている。それでも、泣きたい気持ちが湧いてきたとき「あぁ、まだ話してなかった話がたくさんあったな・・・」とか「もっと、出かけたかったな」などの後悔と、幼少から、最後にあった小6までの祖父との思い出が浮かんでは消えて浮かんでは消えてを繰り返していた。

 そして、葬式の日。僕は、涙をこらえていた。理由は分からない。ただ、ここでは泣きたくなかった。笑っていたかった。悲しい顔を見せたくなかったからかもしれない。そこから、時間が経ち自宅に帰った時、僕は何日も静かに夜、泣いていた。まだ、状況を理解しきれなかったのかもしれない。整理しきれなかったのかもしれない。ありきたりな死因でも、かけがえのない人を失うことはどれだけ悲痛になるのかを。そして自分があまりにも無力なのを痛感させられたそんな時間だった。


 それは、祖父だけでなく、ひいおばあちゃんが亡くなった時もあったことだ。まだ僕はその時小学生だったからひいおばあちゃんに対して何故か怒っていた。最後に交わした言葉は・・・「また、話そうな。」この一言を信じて1年後のお盆を楽しみに待っていた。しかし、行く3か月前に亡くなってしまった。その時も、泣いていた。でもあの時は3年前よりも理解しきれていなかった。人が亡くなることの意味も。

 明日があるってことが絶対ではないと。


 だからこそ、人に親切になりたい。そして、人とのかかわりを大切にしていきたい。聖人君子でもない、ただまだ人生の道中にいる高校生が考えるちょっとした妄想劇。拝聴、ありがとうございました。

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