毬
今朝、出勤のため家を出ると、駐車場の所で仔猫が跳ねていた。白と黒のころころとした姿が愛らしく、それを遠目に見ながら私は顔が自然とほころんでくるのを覚えた。
自転車置き場に至り、鞄を前のかごに入れようとして、ふと忘れ物に気付いた。家まで戻ってくると、階段の所に
忘れ物を手に再び家を出ると、
人間とは思わぬ所で罪を重ねてしまうものらしい。せめて歌を捧げて、
親や無き
《追記》
右の拙文は、二十年以上前、一九九九年十月二十九日に記したものである。
仔猫があの後どうなったのかは分からない。我ながら実に残酷な仕打ちをしてしまったようにも思われる。
なお、件の猫がその後存えていたとしても、今となっては、もはや寿命が来ていることだろう。
<了>
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