軽井先生は軽いだけじゃない。

しのののめ

第1話 軽い出会い

「うぅ、また振られたよ~」


 私は、高校二年生の更科加奈さらしなかな、絶賛振られた直後である、これで5連敗、10年越しに幼馴染に告白をしたことを皮きりに、サッカー部のキャプテン、野球部のエース、テスト学年トップ、生徒会長、次々好きになっては告白するが振られるそんな毎日を過ごしている。


「加奈~元気だしなよ、いつもの事じゃん、生徒会長はレベル高かったってー」


 慰めてくれるのは、親友の早紀、私より可愛いし、私よりモテる、正直羨ましい、そして早紀は、告られる事も多くそれを毎度断っているのだ、理由は私が居るかららしい、そう言ってくれるから何も言えないし、そんな早紀が大好きだ。


「いつもの事っていうけどさー、今回はまじでワンチャンスあったの!もう最悪、次はどうしよーー」


「もう、次の標的定めてるの?やめなって、黙ってたらそこそこ可愛いんだし男の方から来るってー」


 そんな話をしている内に、始業のベルが鳴る、確か、一時間目は化学、おじさん先生だし寝ていっか、後でノート早紀に見せてもらおっと、って、え——―――


「えー、前任の佐々木先生は一身上の都合により転勤しました、まぁ理由は察せー、それで、今日から一年間このクラスの化学を担当することになった、軽井蓮かるいれんです、よろしくー」


 だるそうに自己紹介をしている目の前のイケメンに私はひとめ惚れした。見た目は二十代前半、新任教師、白衣のサイズは大きく合っていない、白衣の下には、独特なセンスのTシャツを着ていて、下はジャージ、でも、何といっても、顔がドタイプなのだ。ここまで来たらあとは単純、気付いたら体が口が動いていた。


「せ、せんせい!好きです!!」


「え、あー、はい、ありがとう、僕もだよー」


 あ、あれ、想像と違う返答、これってもしかしていけるかも!5連敗中の私、更科加奈、6回目にして勝ちヒロインになれるかも!


「えぇ、加奈、流石に社交辞令的なやつだよ、そんな浮かれた顔すんなよ……。ま、いっか、6連敗目どうやって慰めようかな」


 そんな、親友の声は浮かれモードの更科加奈には届かなかった。軽い?軽井先生と、負け続けのヒロイン更科加奈の恋愛ラブコメ一体どうなるのか——――。


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