私の炎上についてきなさい!
白咲夢彩
プロローグ
君は、平和ボケをしていると思うか?え?何がって?この国が平和ボケしているのかって聞いているんだ。ちなみに俺はしていると思うぜ、だって、銃口を向けられることなんてねえし、ボーっと考え事しながら歩いていても、所持品が突然消えるなんてそうそうない。好きな飯はいつでも食べられるし、温かいお風呂にも入ることが出来る。まあ、資本主義な国ではあるから、お金は稼がなければいけないわけだが、生きてはいけるしどこかの貧しく戦が凄まじい国と比べたら、私たちはとても恵まれていると言えるだろう。感謝しなくてはならない。
俺たちは平和な世界に生きている……。
いや違うな。平和ボケして、ボケ過ぎて、違う種類の戦とやらが始まっているようだ。俺はこの平和な国で爆弾を発見した。
目には見えない爆弾を。
そこの君は、爆弾って何か知っているか?いや、それは知っているよな。すまん。なら、爆弾が爆発すると、どうなるのか知っているか?想像してみろ、建物のどこかに仕掛けられた爆弾が、時間になりドッカーンと大きな音で炎と共に大爆発したら、そりゃ大惨事だろうよ。炎はどんどん燃え広がり、隣のビルまで巻き込むかもしれねえな。翌朝テレビを点ければ、ニュースキャスターが現場の状況を、そりゃあ大変だと騒いで伝えるだろうよ。国民も大騒ぎかもしれねえ。
さて、もう一つ聞かせてくれ。そこの君は〝爆弾発言〟って知っているか?空気を読めないまま、言っちゃあいけないひとことを言ってしまったり、とんでもねえひとことをぶちまけてしまったりすることだ。ちなみに、俺はしてしまったことがあるぞ。会社で年配の女性上司に「結婚はまだなんすか?(笑)」と何気なく言ったのだが、これがとんでもねえ爆弾だったらしい。その場の空気が凍りつき、何故か平手打ちをくらわされたぜ。それと関係があるかはわからんが、次の日から仕事を押し付けられ、残業が何故か増えた。セクハラだのパワハラだの、もうよくわからない。俺は別にその女性上司が独身を気にしているのを知らなかったし、俺だってそんなこと言ったら独身だ。ちっこいこと気にすんじゃねえこの独身野郎。あ、これも爆弾発言になるのか?まあいい。とりあえず、爆弾発言ってのは気を付けねえと職場で上司と話しにくくなるかもしれねえし、居づらくなるかもしれねえ。爆弾の炎は広がり、退職だってあるかもしれねえ。いやないか……いや、内容次第だな、うん。
だがな、これくらいならまだ可愛いもんだ。そう、可愛いもんなのだ。だって、俺はそんなつもりなくてしてしまったのだから。
その場の空気を知らなかったから起こった出来事は、しょうがないで片付けるのが正解だ。次から気を付ければいいだろう。
さて、本題に入ろうか。俺はあるとんでもない爆弾野郎に、この度、出会ってしまった。
それは、前例にない爆弾だった。
こんな平和な世の中にも、爆弾てのは存在したんだよ。いやあ、そりゃあ種類が違うだろうけどさ、爆弾は爆弾だし爆発をしたら何にせよ平和ではないだろうよ。
どんな爆弾だったかって?
それは、これから長く話すとしよう。
とりあえず、どんな奴かだけここで簡潔に話す。
先ほどの話で俺は、知らないうちに爆弾発言とやらを過去にしてしまっていた訳だが、もしこれを自らわかった上で計画し、とんでもなく爆発させるためにとんでもない実行をしている奴がいたらとんでもねえと思わないか。
とんでもないが多すぎてよくわからないって?
本当にとんでもないんだ。ガチでマジでとんでもねえスーパー人だ。
で、その、とんでもねえ奴と出会っちまった。
しかも、俺はとんでもなく巻き込まれてやがる。
ああ、とんでもなくだ。
うるさいSNSの時代に、周りが騒ぎ問題になれば炎上と言われ話題になる。今日もある俳優の問題発言がどうだこうだって、朝起きればニュースでわんさかやっている。謹慎だか何だか知らねえが、言葉にそんなに気を遣わなきゃいけねえ世の中になっちまったのか。
いや、言葉は大事だな。そうだ、言葉は大事だ。
でも、めんどくさい世の中だとは思うよ俺は。ちょっと前まではまだ、自由だったのに。ああいえばこういう人類。誠にめんどくさい。
なんだっていいじゃないか人類よ!
と叫びたいが、そういう訳にもいかないな。言葉は大事だからだ。
まあ、俺はそう叫びたいくらい、とんでもなくめんどくさい事態に巻き込まれている。
これから話すのは、とんでもなくとんでもなーーくめんどくさい爆弾に巻き込まれる俺のお話だ。
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