第10話 怒ったことある?
「ね?」
「いくの?口で、普通は」
「うん」
「ん?」
「うん」
「いっちゃうの?」
「うん。いくっていうか言うか、いきそうって言うか、あ、いく人はいくし、いきそう、あの、わかるよ私、私っていうかこっちも」
「へぇ~」
「ね、おにいちゃんさ、そうそう、あのさ、今日さふと思ったんだけどさ、おにいちゃんさ、基本あんまりっていうか怒んないじゃん」
「うん」
「女の人にね」
「うん」
「ね、めっちゃ切れたことってある?今まで」
「誰?」
「おにいちゃん」
「誰に?」
「女の人に。女の人。違う、パッと思い浮かべてさ。超ぶちぎれたこと」
「ないねぇ」
「相手がだってそんなことしないから」
「でもさ、1回さ、浮気されたことあるじゃん」
「知らない。忘れた」
「忘れた?でもその時も怒らなかったってこと?」
「怒る・・・っていうより、なんだろうな。いや、それはオレが悪いんだね。相手が満足出来なかったんだから」
「じゃ、怒んなかったってこと?」
「いや、普通に怒ったけどそんなに怒んなかったな」
「だ、そうそう、怒るけどー・・・」
「狂ったようには怒んないよ」
「自分でわかる、わかるというか、自分で怒ってるなって、そういうさ、範囲内って言うかさ、それで怒るっていうのはあるでしょ?」
「うん」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。