形式2:オンデマンド型授業
オンデマンド型授業は、教員が事前に録画、録音した動画が大学専用サイトに配信され、それを学生側が視聴する形式の授業です。
双方向型授業とは違い、同時に受講している学生の顔はおろか、教員の顔もわからない場合が少なくありません。また、講義によっては生活音が混じっていたり、マイクをいじった音なのか、突然大きな音が入ってくることもあったりします。また、音がやけに小さかったりする場合もあるので、イヤホンを用意したほうが良いでしょう。
と、否定的なことばかり先に挙げてしまいましたが、私自身はこの形式が一番好きです。それはそのまま良い点として挙げられると思うので、如何にその理由を記していきます。
まず、この形式の特徴として、必ずしも所定の授業時間に動画を見なくてもいいということが挙げられます。いつ配信されるかにもよりますが、本来の授業時間の前に視聴してもいいし、配信終了の期限あるいは動画視聴後に提出するリアクションシートの期限までに視聴しさえすれば、本来の授業時間の後でもよいということになります。リアルタイムではないので、いつでもどこでも視聴可能といえます。双方向型授業と比べてですが、スマホでも容易に視聴できます。
また、一度休憩したいときには、途中で視聴を止めることもできます。これはリアルタイムはおろか、対面授業でもできないことです。非常に柔軟な受講の仕方があるといえます。
次に、動画を撮る以上、教員の側の話にまとまりができ、要点がつかみやすいという特徴もあります。脱線したり、雑談したりという機会が少なくなるということです。状況によってはそういう時間も必要ですし、楽しい場合もありますが、限度を越してしまい、雑談だけで授業が終わったということもよくあります。それは対面授業でも双方向型授業でも変わりません。しかし、オンデマンド型授業においては、雑談は少なめになる印象があります。録音や確認の手間がかかるからでしょうか。もちろんこれをプラスととるか、マイナスととるかは人次第です。私自身は何とも言えないなあと思います。
結構良い点が多いと思われます。しかしどんなものにも良くない点があるのは世の常です。
まず先に挙げた通り、教員側の録音、録画の技術によって、授業の質が変わるように感じてしまいます。ただ、先生はあくまで授業内容に精通した先生なのであって、録音の改善まで求めたりするのはどうなのかなあとも思います。
また、講義を受けている他学生については名前すらわかりませんし、場合によっては教員の顔すらわからないこともあります。ただし、提出したリアクションシート(コメント)には逐一返信をくださる先生もいます。
次に、これは双方向型授業とも共通しますが、受講の態度はやはり学生側の良心にゆだねられます。その詳細は前章で述べたので今は繰り返しませんが、これはもうオンライン授業の宿命なのかもしれません。ちゃんと講義は聞きましょうとしか言えません……。
課題もありますが、学生側としてはこの形式が一番やりやすかったです。ネットのつながりが不調なら一度視聴を辞めればいいわけですし、どうしても気になることがあればサイトを通して質問もできます。授業時間中は質問に応対できるよう、Zoomで部屋を設定して待機してくださる先生もいます。
オンデマンド型授業の特徴は柔軟性にあります。双方向型授業と掛け合わせ、今週はオンデマンド型、来週は双方向型という風に、相互に運用する講義もありました。オンデマンド型と双方向型は、相互に利点・不利点を補えると見ることもできるかもしれません。運用次第ではより質の高い講義(場合によっては対面授業以上の講義)が実現するかもしれないと、私自身思います。
なお、私が受けた全29個のオンライン授業のうち、オンデマンド型授業は13個でした。45%くらいです。
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