第21話 目を知ろう

 人が得る感覚の八割以上は視覚からと言われています。

 それだけ人間にとってたいせつな「目」ですが、小説になるとありきたりな目を書いてしまったり金銀妖瞳オッドアイが作品にひとりはいたりと存在はかなりぞんざいです。


 目や瞳と書くだけで、もっと細かく書き分けていない。

 せっかく八割以上を担う感覚情報なら「目」の表現もそれだけ凝るべきです。


 では目についてどれだけ知っているか。

 確認してみましょう。


 多くの方が知っているのは、「目」には「白目」と「黒目」があることです。

 白目が血走っているのはなにが充血しているからでしょうか。

 「○○炎」の単語は見聞きしていますよね。


 では「目」から光を取り込む入り口となっているのはなんと呼ぶでしょうか。

 そして光から視細胞で情報が転換される部分の名前はなんでしょうか。

 「○○剥離」の単語を知っていますよね。


 よく「赤目」とか「碧眼」とかいわれる瞳の色ですが、これはどこの色を指しているのでしょうか。

 主人公や印象の強い人物の瞳の色を奇抜にしようと考える書き手が多く、それが冒頭の「金銀妖瞳」「オッドアイ」「ヘテロクロミア」が増えてしまう原因です。

 しかしライトノベルではたいてい瞳の色が風変わりになっています。

 まぁアニメにしたとき、キャラが映えればよいわけで、マルチメディア戦略としては正しい選択なのかもしれません。


 ですが「瞳」の色ばかりを気にして、目つきについてなにも書いていない場合も多く見られます。

 東京府中三億円事件の犯人は「きつね目」の男だとされていますよね。

 目つきはそれだけキャラクターを左右する特徴になるのです。 

 他にどんな目つきがあるのか。あなたはご存じでしょうか。

 視覚が感覚の八割以上をになっているのなら、「目」を見て話しているわれわれは、もっと「目つき」についても詳しくなるべきです。

 「目は口ほどに物を言う」と言いますよね。

 しゃべって読み手にわからせる手法が一般的ですが、目つきや視線を巧みに操って伝える手段をもっと活用するべきです。


 視覚からは、色(光)と形を認識します。

 単に「見る」場合は両方を認識しているのです。

 登場人物を奇抜にしたり印象付けようとして「視覚障害」を持ち出す方もいます。

 しかし安易に障害を使うべきではないのです。

 その障害が物語の進行に欠かせない要素であればまだよい。

 単に「障害があれば同情された惹きが強かったりするから」では扱わないほうがましです。

 そもそも書き手のリアルが反映されていないので、どうしても美化されたり蔑んだりする表現になりがちで、そこが障害を持つ方から理解を得られません。


 障害ほどではなく「加齢黄斑変性」「白内障」くらいなら、老いた書き手のリアルが反映できるので、このくらいなら問題はありません。



 で、次回から「目」に関する「単語」と「動作の語彙」を掲載しますが、とても分量が多いので覚悟してくださいね。

 安易に「目」から始めた私が悪かった。

 さすが感覚の八割以上を担う「目」「動作」だけはあります。


 ただ、あまりにも量が多くて分類しきれていません。

 折を見て少しずつ改善していく予定ですので、長い目で見ていただけたらと存じます。



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