第18話 顔を知ろう(単語解答)

 「顔」は眉から下顎までの部分を指し、耳を入れるか入れないかは諸説あります。

 「額」は本来顔には含まれませんが、今回は都合上「顔」に含めます。


 「額」「耳」を含むと考えて、顔にはいくつの部分があるのでしょうか。

 「眉」「目」「鼻」「口」「顎」「頬」そして「額」「耳」です。

 もちろんここからさらに細かな部分に分かれます。また「動作の語彙」は五感に関するものが多いので、ある程度分けていきますね。




 「顔」全体としては「かお」「顔面ガンメン」「メン」「面部メンブ」、慣用句で「花のかんばせ」「おもてを赤らめる」「おもてを伏せる」、古語で「面輪おもわ

 乱暴や罵って「つら

 顔全体は「満面マンメン

 顔かたちの様子は「容貌ヨウボウ」「顔貌ガンボウ」「容顔ヨウガン」「顔容ガンヨウ




 「ひたい」には「おでこ」、古語で「前額ゼンガク」があり、形で「丸額」「角額」「富士額」「M字額」「M字禿げ」などがあります。

 「真っ向勝負」の「真っ向」は額の中央のことです。




 眉と眉の間は「眉間ミケン

 眉のあたりを慣用句で「眉宇ビウに決意をみなぎらせる」「眉宇に決意を漂わせる」と書く。元々「眉宇」は漢語です。


 耳の上の物を噛むと動く部分を「こめかみ」と言います。「蟀谷こめかみ」とも書きます。



 美しい眉は「柳眉リュウビ」「やなぎまゆ

 ※「翠眉スイビ」はみどり色のつややかな眉。美人の眉です。

 ※「遠山の眉」とは遠山のようにほんのりと青い眉。 また、うっすらと引いたまゆずみ。 美人の眉や黛をたとえていいます。

 愁いを含んだ眉「愁眉」「心配眉」

 三日月型の「三日月眉」「曲眉{キョクビ」「蛾眉ガビ

 三角形の「三角眉」

 への字の「への字眉」「羅漢眉」

 左右で八の字のような「八の字眉」

 細く主張しづらい「細眉ほそまゆ」「糸眉」

 長くて湾曲して根の太い「地蔵ジゾウまゆ

 濃くてまっすぐな「一文字眉」「剣眉」

 濃くて太い「げじげし眉」

 眉毛が逆立っているのが「逆眉」

 まばらな「青秀セイシュウ眉」

 雪のように白い老人の「眉雪ビセツ

 などがあります。


 黒く墨をさした「作り眉」「黒眉くろまゆ」「まゆ

 差す墨のことを「まゆずみ」「眉墨まゆずみ」「アイブロウ」

 ※江戸時代公家や武家で生まれた女子の顔におしろいで白い線を描き、眉毛の代わりに書いたものを「うぐいすまゆ」と言います。




 目の下の部分を「ほお」「っぺた」、笑うとできる頬のくぼみを「えくぼ




 口の上下「顎」は「上顎うわあご」「上顎ジョウガク」と「下顎したあご」「下顎カガク」「おとがい」とも書きます。

 皮膚が二重になった顎は「二重顎」




ひげ

 「ひげ」には三種類の漢字が当てられています。

 これは生えている場所で使い分けるのです。

 もしかな書きをするのであれば、区別する必要はありません。

 唇の上に生える毛は「ひげ」「口髭くちひげ

 顎に生える毛は「ひげ」「顎鬚あごひげ

 頬の付近に生える毛は「ひげ」「頬髯ほおひげ

 古語ではあごひげとほおひげを合わせて「鬚髯シュゼン」とも書きます。


 漢語で美しいひげは「美髯ビゼン」「美鬚ビシュ」。「美髯公」は『三国志』の関羽のことを指します。

 量が少ないと「ちょびひげ」「小髭こひげ

 まばらで薄い「泥鰌どじょうひげ」「疎髯ソゼン

 なまずのような「鯰髭なまずひげ

 鎌のようにはね上げた「鎌髭かまひげ

 顎の下に長く垂れた「山羊やぎひげ

 左右両端を上にはね上げた八字型の口ひげをドイツ皇帝ウィルヘルム二世になぞらえて「カイゼル髭」と呼びます。


 白いひげは「白髯ハクゼン」「白鬚しらひげ」霜のように白い「霜鬚」。「白鬚しらひげ神社」の用例があります。

 赤いひげは「赤鬚あかひげ」「紅髯コウゼン

 銀白色のひげは「銀髯ギンゼン


 ひげが伸びた「髭面ひげづら」「無精髭ブショウひげ」「不精髭ブショウひげ」「ひげもじゃ」

 作ったひげ「付けひげ



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