第17話 顔を知ろう

 皆様は頭と顔についてどういう認識でしょうか。

 昔の知識ですが、眉とうなじより上の部分が「頭」とされています。

 なので「額」と「耳」は顔と頭の境目にあるのです。

 ですが都合により「額」は顔として処理致します。

 「耳」は別項目になります。


 そこで突然ですが質問です。

 顔にあるものを挙げてみてください。

 上記にある「額」「眉」以外です。

 こちらが想定している答えはあと五つあります。


 改めて人の顔をまじまじと眺めると、「なぜ小説に顔を書いてこなかったんだろう」

と気づきます。


 面白いもので、見たり聞いたり、動作は書くのですが、そ器官についてあまり書いていないものなのです。

 ただ「目」についてはかなり細かく書く方もいらっしゃいますね。

 本当に紅一点のように、「目」だけを細かく描写しすぎて、他のバランスがとれていない方がいらっしゃるのです。


 確かに書き手によって細かく書くパーツが異なる、という傾向はあります。

 目つきを細かく書く人や、なにげないシーンで唇の描写を丹念に行なう人。

 本当にさまざまです。


 どれが正解、というものはないのです。

 ただ顔について書けるのなら書いたほうが断然よい傾向です。

 書きすぎてバランスを壊すのはいただけませんが、恐れてほとんど書かないのではキャラクターが立ちません。

 アピールポイントが顔以外、という人物はあまりいないのです。

 誰もが見る顔にこそ特徴があります。

 千差万別、人物を書き分けたり特定したりするために、特徴をひとつやふたつ持たせるのがよいでしょう。



 ではシンキングタイムはここまでです。


 顔を構成するパーツを「額」「眉」以外で五つお答えくださいませ。




 では、答え合わせです。


 「顔」には「目」「鼻」「頬」「口」「顎」があります。


 「唇」は口ですから重複しますよね。

 顔相占いでは鼻と口の間の溝「人中ニンチュウ」を取り上げますが、こちらも上唇を構成するパーツですので「口」に分類されます。


 ですが、間違えたっていいのです。

 それだけ顔のパーツを憶えていた証といえます。

 ほとんどの方は重複するパーツすら思い浮かびません。

 「鼻」を書いて「小鼻」と書くのはあまりに単純です。

 しかし「歯」とか「舌」とか、口の中にある器官が出てくるのはよい状態です。


 もちろん「歯」も「舌」もこれから取り上げていくことになります。



 ですがまとめる分量もありますので、今回は「目」「鼻」「口」に関する類語は別に致します。

 五感を表現するとき、これらを用いるからです。

 同様の理由で顔と頭に含まれない「耳」も別項目と致します。こちらは「聞く」の語彙がありますからね。



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