第14話 頭と首と髪を知ろう(単語解答)

 首より上を一般的に「頭」と呼びます。

 「頭」にはさまざまな読み方があります。

 「あたま」「かしら」「かぶり」「つむり」「つぶり」「こうべ」「ズ」です。

 「首」と書いて「かしら」「こうべ」と読むと「頭」の意になります。

 俗称で「雁首ガンくび」があり慣用句「雁首をそろえる」で用います。

 「ヘッド」も頭部、あたまの意です。


 頭のてっぺんは「頭頂トウチョウ」「頭頂ズチョウ」「脳天」と呼びます。慣用句「頭角を現す」も頭のてっぺんのことです。

 頭の両側は「側頭ソクトウ」「側頭部」と呼びます。


 頭の部分は「頭部トウブ」、前面は「前頭ゼントウ」「前頭部」、後面は「後頭コウトウ」「後頭部」ですね。


 大きな頭は「大頭おおあたま」「巨頭おおあたま」「頭でっかち」と呼びますが今では若干差別用語化しています。

 丸い頭は「粉木こぎあたま」ですが、今の中高生で「すりこぎ」を知っている方は少ないと思われます。

 額と後頭部が出ているのは「才槌サイづちあたま」「才槌サイづちがしら」です。

 上部が大きく下部が小さいのは「外法ゲホウあたま」「外法ゲホウがしら」と呼びます。この「外法」は七福神の福禄寿の異名です。

 凸凹なのは「花梨カリンあたま」です。


 固いのは「石頭いしあたま」「金槌頭かなづちあたま」です。

 小児の頂上に毛を残して周囲を剃った頭は「芥子ケシ坊主ぼうず」「すずしろ」と呼びます。


 白髪交じりは「胡麻塩頭ごましおあたま」「斑白ハンパク」、白髪の頭は「白髪頭しらがあたま」「白頭ハクトウ」です。

 何もかぶっていないのは「素頭すあたま」「露頭ロトウ」と呼びます。





 頭と胴をつなぐ部分は「くび」「くび」「頸部ケイブ」「くびたま」などで俗っぽく「くびたま」「くびたま」とも書きます。


 首の後ろは「うなじ」「コウ」「首筋くびすじ」「えり」「襟首えりくび」「襟頸えりくび」「領頸えりくび」「襟元えりもと」「うしくび」「うしくび」「身柱元ちりけもと」と呼びます。

 さらに頸の後ろの根元は「項根うなね」「首根っこ」「頸根っこ」です。

 首の後ろの髪の生え際は「襟足えりあし」「領脚えりあし」ですね。

 うなじの中央のくぼんでいるところを「ボンくぼ」「ボンくど」「くぼ」ですね。


 長い首は「長頸チョウケイ」「鶴首つるくび」「鵞鳥ガチョウくび」と呼び、

 短い首は「短頸タンケイ」「猪首いくび」「くび」です。

 細い首は「細首ほそくび」、蛇などの窯のように曲がった首は「鎌首かまくび」です。


 首ののどにあたる部分は「喉頸のどくび」です。

 のどの中間にある甲状軟骨の突き出たところを「喉仏のどぼとけ」「喉骨のどぼね」と言います。形状が座禅を組んでいる仏に見えることから「喉仏」と呼ばれたとされています。西洋では「アダムの林檎」と呼ばれています。ヘビーメタルバンドの聖飢魔IIに同名の曲があります。


 寝ている人の首は「寝首」、相手を罵っていう首は「素首そくび」「くび」と言います。


 頭部を切り取ると「くび」「くび」「くび」、

 切り取ったばかりは「生首なまくび」、

 討ち取ったものを「首級シュキュウ」「しるし」「御首みしるし」、

 さらしたものを「竿首カンシュ」「梟首キョウシュ」「さらくび」「獄門ゴクモンくび」となります。

 あまり使わないですよね。まぁ「打首獄門」自体が古い考え方ですしね。





 頭に生えている毛を「かみ」と言います。ほかに「頭髪トウハツ」「毛髪モウハツ」「かみ」ですね。

 尊敬や丁寧では「御髪おぐし」「御髪みぐし」です。

 自分の髪は「地髪ジがみ」「地毛ジげ」これはわかりやすいですね。


 頭の左右側面の髪は「ビン」、その先は「小鬢こビン」、びんの耳の前は「げ」です。

 襟首あたりの髪は「襟髪えりがみ」「領髪えりがみ」と呼びます。

 髪の毛が渦巻状になったところは「旋毛つむじ」「辻毛つじげ」です。


 髪の毛の一本一本は「毛筋けすじ」と言います。

 固い髪の毛は「剛毛ゴウモウ」、

 柔らかい髪の毛は「ねこ」、

 細い髪の毛は「毫髪ゴウハツ」「毫毛ゴウモウ」、

 先が枝のように裂けた「枝毛えだげ」、

 まっすぐな髪や毛は「直毛チョクモウ」、

 縮れた毛は「ちぢ」「縮毛シュクモウ」「ちぢがみ」「ちぢれっ」「癖髪くせがみ」「癖毛くせけ」です。


 少ないのは「寡髪カハツ」、

 まばらに生えた「疎髪ソハツ」「薄毛うすげ」、

 抜け落ちると「抜け毛」になります。



 「髪型」「ヘアスタイル」は、「日本髪にほんがみ」に対して「洋髪ヨウハツ」があります。

 「短髪」は「ショートヘア」、「長髪」は「ロングヘア」、若い男性がおしゃれで伸ばした「ロン毛」、肩にかかる程度の長さに伸ばした女性の髪型の総称を「セミロング」、それよりも長いものを「ミディアムヘア」、「セミロング」と「ミディアムヘア」の中間が「セミディ」です。

 髪を後ろで高く束ねて縛り小馬のしっぽのように垂らした女性の「ポニーテール」、

 肩にかからない程度に短めに切り揃えた女性の「ボブ」、

 前髪も含めて比較的長く同じ長さに切り揃えた女性の「ワンレングス」、

 髪を束ねて西洋婦人風に結った明治大正時代に流行した女性の「束髪ソクハツ」、

 ウエーブをつけた髪で耳を覆い隠すよすにして結った大正末期に流行した束髪を「耳隠し」、

 髪を後ろできつく束ねた女性の「《ひ》引っめ」、

 ひとつかふたつに束ねて編んで垂れ下げた少女の「おげ」、

 前髪を眉の上辺りで後ろ髪を首筋のあたりで切り揃えた少女のボブの一種「お河童かっぱ」、

 首のあたりまで短く切った女性の「ショートカット」、

 襟足の髪を上げてまとめた女性の「アップ(スタイル)」


 かつて来たアジアで男子が髪の毛を後頭部で編んで長く垂らし他は剃り落とした「辮髪ベンパツ」、

 明治初期に男子がまげを結わず襟元で切っただけの「ザンり」、

 角張った感じに見せるように頭頂部を平たく周囲を短く刈り込んだ男性の「角刈り」、

 頭の形に沿って全体を短く刈り込んだ男性の「丸刈り」「毬栗いがぐりあたま」、

 切り揃えた前髪を眉毛まで垂らしそれ以外は刈り上げた男児の「坊ちゃん刈り」「刈り上げ」、

 五分の長さに短く髪を刈る「五分刈り」、

 坊主のように極めて短く髪を刈る「坊主刈り」「坊主頭」「丸坊主」「くりくり坊主」、

 前髪を四角い輪郭で長く刈りあとは短く刈り上げた男性の「スポーツ刈り」、

 頭部中央の前から後ろにとさか状に毛を逆立て残りの部分を剃り上げた「モヒカン刈り」、

 刈り方がへたなため頭髪が虎の毛のようにまだらになる「虎刈り」、

 頭皮がすべて見えるほど髪を剃った「スキンヘッド」、

 髪の毛をすべて後ろにき上げ整髪料などで固めた男性の「オールバック」、

 前髪を後ろ向きに大きく盛り上げ両びんを後方に撫でつけた男性の「リーゼント」、

 短髪を細かい螺旋状の縮れ毛にする男性の「パンチパーマ」


 渦巻き状に形をつけた髪の毛「カール」、

 波打つ髪の形「ウエーブ」、

 熱や薬品で髪の毛にクセをつける「パーマ」、

 髪の毛をまっすぐ伸ばすパーマ「ストレートパーマ」、

 生まれつきウエーブの入った髪「天然パーマ」


 全体を巻き毛にした「カーリーヘア」、

 毛先の方から弱く細かいパーマをかけウエーブをつけて自然で無造作な仕上がりにした「ソバージュ」、

 髪の毛をパーマで縮らせ丸高く膨らませた「アフロヘア」、

 左右に七対三の割合で分けた男性の「七三」


 頭髪の抜けた頭皮の部分「禿げ」「禿頭はげあたま」「禿頭トクトウ」「禿茶瓶チャビン」「つるっ禿げ」「つんつるてん」「赤禿あかはげ」「丸坊主」「たこ入道ニュウドウ」「たこ坊主」、

 若くして頭が禿げている「若禿わかはげ」、

 光るほど禿げている「光頭コウトウ」、

 キンカンのように禿げて赤く光った「金柑キンカンあたま」、

 髪がすっかり抜けてやかんのようにつるつるして光っている「薬缶ヤカンあたま」があります。



 額の前に垂れ下がる「前髪まえがみ」、

 頭の後方は「うしがみ」、

 垂らし下げた「がみ」です。


 日本髪で、

 毛を一緒に束ねて結んだところは「もとどり」「たびさ」、

 後方に張り出した「たぼ」「髱髪たぼがみ」、

 頭頂で束ねて折り返したり曲げたりした「まげ」、

 髪を結うときに添える「がみ」「」「かもじ」「髪文字かもじ」と言います。

 楕円形の平たいまげをつけた既婚女性の髪型は「丸髷まるまげ」、

 まげを前後に大きく結った主に未婚女性の髪型は「島田髷しまだまげ」略して「島田」、

 島田まげの根を高く結った花嫁が結う「高島田たかしまだ」、

 武家風の流れを汲む根を高く優美に結った現代で婚礼用の島田まげを「文金高島田」、

 まげを左右に分け後頭上部で割った桃のように二つの輪にまとめて結う明治大正期に十六・十七の少女に流行した「桃割れ」、

 まげを左右に分けイチョウの葉のように二つの半円形にまとめて結う江戸末期から大正期頃まで一般女性が結った「銀杏いちょうがえし」があります。

 額から頭の中央に向かって髪を剃り後頭部で結ったまげを前に曲げた髪型を「丁髷ちょんまげ」、

 相撲で十両以上が結うまげの先をイチョウの葉の形にした「大銀杏おおいちょう」があります。


 元ある頭髪を補ったり別の髪型に見せたりするための人工的な髪を「かつら」「かずら」「つけ毛」「ウイッグ」「ヘアピース」「ヘアエクステンション」今は主に「エクステ」と呼んでいますね。


 女性が結ったり束ねたりしたとき両鬢リョウビンや襟足に残って垂れ下がった生え際の短い毛を「おく」「おくがみ」「遊び毛」と呼びます。



 乱れたものを「乱髪ランパツ」「みだがみ」「ほつ」、

 寝て乱れた「寝乱ねみだがみ」「寝腐ねくたがみ」、

 寝ている間についたクセは「寝癖ねぐせ」、

 洗ったばかりの「あらがみ」「がみ」です。

 慣用句「敝衣ヘイイ蓬髪ホウハツ」は破れてぼろぼろの衣服に、汚く乱れた頭髪。汚い格好。なりふりに構わないこと。

 慣用句「頭蓬ホウトウ垢面コウメン」は身だしなみに無頓着むとんちゃくで、むさくるしいこと。また、疲れ切った貧しい様子。乱れた髪と垢あかまみれの顔の意から。


 激しい怒りのために逆立った「怒髪ドハツ」は、慣用句「怒髪ドハツテンく」髪が逆立つほどの激しい怒りの意で用います。


 亡くなった人の形見は「遺髪イハツ」です。


 黒々としてつやのある「黒髪くろかみ」「みどり黒髪くろかみ」「からすいろ」と呼びます。

 半分白い「胡麻塩ごましお」「斑白ハンパク」「半白ハンパク」「頒白ハンパク」です。

 白くなった髪「白髪ハクハツ」「白髪しらが」で、

 若いときから生えている白髪は「わか白髪しらが」、

 白くて美しい髪は「銀髪ギンパツ」、

 老女の白い髪は「九十九つくもがみ」と書きます。

 西洋人の赤い髪は「紅毛コウモウ」「赤毛あかげ」、

 西洋人の金色の髪は「金髪キンパツ」「ブロンド」、

 染色や脱色し茶色や金色の髪は「茶髪」、

 頭髪の一部を染めるのは「髪にメッシュを入れる」と言います。

 慣用句「かしらゆき」「かしらしも」「霜雪ソウセツ」も白髪のことです。




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