第43話
あたしのおかげでいろいろな幽霊を見ることができているくせに、文句を言うなんて信じられない。
今度はもっともっと激しい幽霊を出現させてもいいかもしれない。
ネットで調べれば、悲惨な状態の死体を見つけることもできそうだし。
なにより、みんなをもっともっと驚かせることができるそうだしね……?
☆☆☆
それからあたしはコウダイくんとの約束場所へ向かった。
昨日と同じファミレスだ。
ファミレスへ入ると窓際の席にコウダイくんが座っているのが見えた。
「ちょっと送れちゃった」
声をかけながら向かい側の席に座る。
「いや、また5分前だよ」
コウダイくんはスマホの時計をあたしへ見せて笑った。
「そっか、よかった」
微笑み、昨日と同じようにドリンクバーを頼んでオレンジジュースを入れた。
「昨日の今日でまた呼びだしちゃってごめんね」
「ううん。あたしは平気だよ」
こうしてイケメンとカップルみたいな会話をしているだけで、十分優越感に浸ることができる。
「それより、今日はノドカが落ち込んでたよ?」
あたしはコウダイくんの反応を確認するために、わざとノドカの名前を持ち出した。
「落ち込んでた? なんで?」
コウダイくんはキョトンとした表情になる。
「昨日はコウダイくんからメッセージが来なかったって、言ってたよ? 眠れなかったみたい」
「嘘だろ? たったそれだけのことで?」
コウダイくんは目を見開いてそう言い、次に困ったように眉を寄せた。
その反応に笑ってしまいそうになる。
コウダイくんも、まさかノドカがそこまで自分に入れ込んでいるとは思っていなかったのだろう。
「本当だよ。あまりに落ち込んでたから気になって声をかけたら、ノドカがそう言ってたんだもん」
そう言うとコウダイくんは大きなため息を吐き出して頭をかいた。
「ノドカってそういうところがあるんだよな。ちょっと俺に依存しすぎっっていうかさ……」
これは面白い話をきくことができそうだ。
あたしはオレンジジュースを一口飲んで、身を乗り出した。
「困ってることがあるなら、相談に乗るよ?」
「でも、ミキコちゃんにそこまで迷惑をかけるわけにはいかないから」
コウダイくんが我に返ったように言う。
「あたしなら迷惑でもないんでもないよ? コウダイくんのこと、もっと知りたいし、力になりたいと思ってる」
そう言うと、コウダイくんの頬がほんのり赤く染まった。
「ミキコちゃんは優しいな」
「そんなことないよ? ノドカだって、いい子じゃん」
「いい子だけど、でもなぁ……」
コウダイくんは大きくため息を吐きだした。
「ノドカはメッセージの返事が5分遅れると毎回電話をかけてくるんだ」
「へぇ? そうなんだ?」
「電話に出たら1時間は切らないし、一緒にいると余計に息が詰まるし……」
コウダイくんはノドカへの不満を次々吐き出していく。
今までずっと我慢していたのかもしれない。
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