久米川の戦い ~新田義貞の鎌倉攻め、その烈戦~
四谷軒
01 八国山
国木田独歩「武蔵野」
八国山とは、狭山丘陵にある山で、その名のとおり、
元弘三年(一三三三年)五月十一日。
武蔵。
八国山。
日中の
「明くる朝、
義貞はそう言って、さっさと寝所に入ってしまった。
慌てたのは、義貞の弟であり腹心である
「おい待て、兄者」
「何だ」
義貞は寝所から首だけ出して答えた。
珍妙な光景であったが、義助は構わずつづける。
「足利の方から、退け退けとしつこい」
「無視しろ」
「…………」
伯耆の船上山に
その裏で、足利高氏は、自身が京の六波羅を
そのため、足利千寿王を将とする武蔵野の倒幕軍は、飽くまで陽動であり、武蔵野に
つまり、静観に徹し、余計なことはするな、ということである。
「……その足利が、
義助は叫ぶ。
ちなみに、紀五左衛門とは、千寿王の補佐役であり、事実上、武蔵野の「足利家の」倒幕軍を仕切る男である。
「だから、無視しろ」
義貞は
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