第2話 池の畔で。
鬱蒼とした池の畔に建つ古ぼけた病院のベッドでひとり。
赤いリボンをあしらった可愛らしいフリルの寝巻きにつつまれて、廊下から聞こえてくる騒々しい日常に目もくれず、傍らに置いた真っ白な子犬のぬいぐるみを抱いて話しかけ、決められた時間に与えられた食事を採り、与えられた薬をのんで、決められた消灯時間にしたがって眠れない時間をすごし、ひとしきりして眠りにおちる。
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