5時からヒロイン

広兼 怜

焦る女の賞味期限

「突然ですがわたくし、水越沙耶(みずこしさや)は、会社を辞めさせていただきます」


もうだめだ、おしまい。

誇りをもって秘書という仕事をしていたのに、自分から汚してしまった。

立ち直れない私は、口からそんな言葉が出ていた。

私の一生をかけて尽くすと決めた男に向かって言ったのだった。


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