*第86話 女と男のラブゲーム
自身を分裂させてクローンを発生させたのだ。
世界にはイブしか居なかった。
クローンの集団には致命的な弱点が在る。
多様性が無い為に、何か大きな異変が起こるとたちまち全滅してしまう。
そこでイブは思った。
「男が欲しい!」と。
男は多様性を発生させる道具でしか無かったのだ。
性の分化に依り生物の多様性は飛躍的に向上した。
世界は大博物館と化した。
“カンブリア
手あたり次第の実験的進化。
目的の分からない形態。
ありとあらゆる生物門が出揃ったとされている。
勿論、殆どは絶滅し化石のみが残っている。
当初の男性は生殖後に用済みとなったが、
モッタイナイ精神の働いたイブは思った、
「なんか他に使い道ないかいな?」と。
「そや!敵が来た時の鉄砲玉にしたろ!」
男性は共感性を弱められ、代わりに攻撃性が強められた。
男性が他人の気持ちに鈍感であるのは、これが原因である。
程度の差こそあれど男性は基本的にサイコパスである。
だから女性は男性の無神経さを責めてはならない。
「こんな私に誰がした!」
と世の男性のY染色体は叫んでいるのだ。
***
挿絵:https://kakuyomu.jp/users/ogin0011/news/16817330661816867425
半開きの目が気持ち悪いですわ~
あれで見えていないのが不思議ですわ。
正に節穴ですわね。
私とカルアンの関係が女と男に変わってから、
私は甘えんぼさんになってしまいましたの。
滑稽で愉快だとしか思わなったカルアンの無神経さに、
腹が立つ様になりましたのよ。
まさかカルアンに対して承認欲求が生まれるとは
思いもしませんでしたわ。
理屈では解っていますのよ。
男はそう言う生き物だと言う事くらいは。
なにせ前世では男性でしたもの。
私ほど男性を理解している女はいませんわ!
それでもイライラしますの・・・
このままではいけませんわね。
夫婦円満の妨げになってしまいますわ。
デカシーランドの独立騒ぎも収まってしまいましたし、
ストレス発散の場がありませんわね。
適当な理由をでっちあげて、また暴れてやろうかしら?
相手はバルドーですもの構いませんわよね!
そうと決まればシモーヌの特訓ですわ!
体術は御庭衆に仕込んで貰っていますの。
問題は魔法ですわね。
シモーヌの契約精霊は綿精霊ですので、攻撃魔法が使えませんの。
「何とかなりませんの?ルルナ」
「あぁ~そうですねぇ~、出来ない事も無いですね。」
ほぉ!言ってみるものですわね。
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