シチュボ台本:猫のソラ、人間になる。【2】ソラ、夢だったチョコレートを食す。
ところでさ、あの……。
僕、すごくお腹が空いてるんだよね……。
ごはん、食べていいの? ありがとう。
でも今の僕、人間の食べ物を食べても大丈夫なのかな?
そっか、そうだよね。人になってるんだからたぶん大丈夫だよね。
僕さ、きみやお父さんやお母さんがいつも食べていてうらやましかったものがいっぱいあるんだ。
お味噌汁とか、ラーメンとか、ケーキとか。
全部いいにおいがするんだよね。
あっ、あとチョコレート。絶対ダメって言われてたけど、どんな味なのか実はすごく気になってたんだ。
え、今チョコレート、あるの? 食べて言いの!? やったあー!
わあ……これ、きみが受験勉強しながらばりばり食べてた板チョコだ……ん? ばりばりは食べてない? うそだあ、すごい勢いで食べてたよ。
ご、ごめん、そんな怒んないでよ! あげないとか言わないでそのチョコください!
よーし、いただきまーす。
……!
甘ーい! 僕これ好き!
いっつもこんなにおいしいもの食べてたんだ。ずるい。
そりゃあ、まあ、キャットフードもおいしかったけど。チョコには負けるね。
……ほんと? 僕もここに住んでいいの?
そしたら他のおいしいものも食べられる?
レトルトのお味噌汁に、カップラーメンに、コンビニのケーキ……。
きみ、食生活大丈夫?
猫に言われたくないって、そんなあ……。
だってラーメンやケーキはともかく、お母さんは夕飯のお味噌汁、レトルトじゃなくて作ってたじゃん。
……わかった。きみはきみ、お母さんはお母さん、ね。
でも僕が手伝ってくれるなら、お味噌汁は作れるかも?
かもっていうのがなんか心配だし僕、料理したことないんだけど……わかった。じゃあ今度一緒に作ろ。
もしかしたら僕のほうが案外器用かもしれないよ。楽しみだな~。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます