第5話 Just do it 俺は3階から飛び降りた
その光景を目にした瞬間の俺に迷いは無かった。
「Just do it!」
教室の窓から外にジャンプする。
ここは三階で落ちたらどうなるか分からないが、それでもあの空間にいるよりはまだ生存確率は高いだろう。
すぐ後ろから物凄い殺気を感じながら急いで着地の態勢を整え転がりながら衝撃を逃がし急いで後ろを振り向き状況を確認すると、鬼の形相で悔しそうに奴らが教室から睨んでいた。
「アリヴェデルチ、さようならだ!」
そのまま俺はハリウッド映画俳優さながらのスマートさで逃走を始める。
なぜ俺は超能力者や未来人と関わってるはずなのに未だに醜い人間の感情と戦っているのだろうか。こうゆうのは謎の組織とか強敵とかと戦うのが定番のはずだ。
俺の人生のシナリオ修正はまだなのだろうか。
自宅はどうせ友達に抑えられているのであの時のファミレスで時間を潰していた。
今回は頼んでいたコーヒーに砂糖をしっかり溶かして飲んでいると、妹からメールが届いた。
「あんたを恨んでるやつらの誤解を解いておいてあげたわ感謝しなさい」
「おおっ!」
すぐにでも最愛の妹に送れる限界の文字数の感謝を伝えようと思ったが大切なことを確認しなくてはならない。
「ちなみになんて説明したんだ?」
「七桁にも及ぶお金を貢いで、ようやくあそこまでの仲になれたって言ったらすんなり納得したわよ」
「俺ただの金づるじゃん」
「命取られるよりはましでしょ?」
「そうだけども、お兄ちゃんにもプライドとゆう物が」
「そんな物、燃えないゴミにでも捨てときなさい」
全く持って兄への尊敬がないのだろうか。
ないか、本当の兄でもないし。
これ以上は不毛なやり取りになると考えてコーヒーをすすりながら外を眺める。
しかしこうして見ると平日の真っ昼間だとゆうのに以外と人が歩いている。
以外とニート多いのかと考えていると視界に見知った人物が現れた。
「琴音さん?」
なぜか辺りを見渡しながらゆっくり歩いているのだが学校はどうしたのだろうか。
しばらくキョロキョロとしていて目が合うと手を振って小走りで店の中まで走って来た。
「もう、どうして何にも言わずに帰るんですか!」
はぁはぁ、と軽く息を切らしながら目の前の席に着いた。
「ちょっと命の危機にあっててさ」
「それなら私を頼ってくれればいいのに」
少し悲しそうな声でシュンとしてしまった。
原因はあなたですよとも言えないので適当にでっち上げる。
「いやほら、琴音さんを危険にさらしたくなかったからさ!」
「そんな私に頼ってくれてもいいのに、でも気持ちはありがとうございます」
今度は嬉しそうにニコニコと笑い始めた。
あれ、この人こんなにチョロインだったっけ?
「でこれからどうするか、今更学校に戻るのも面倒だしな」
「じゃあ二人でさぼりましょうか?」
「まさか優等生にそう言われる何て思って無かったよ」
「たまには息抜きも必要ですよ」
二人でいたずらっぽく笑いあった。
高崎さんにこんな一面があるなんて驚きだし、なんかこのシチュエーション事態
非日常な感じですごいドキドキする。
高崎さんはケーキと紅茶を頼み、食べてる姿が様になっていて、お嬢様の雰囲気が漂っていた。
しばらくなんてことない、いつも道理の会話が続いたのだが言いにくそうに切り出した。
「良太くんの妹が未来人なのって本当ですか?」
ドキッと心臓が高鳴なった。
何と答えていいか分からなくて言葉が出なかったが彼女にはそれで十分のようだった。
「一つお願いを聞いて貰えませんか?」
「俺に出来る範囲でなら」
いったいなんだろうか、この話を持ち出して来たくらいだとんでもないお願いが
来るのではないかと身構える。
「私と一緒に面白そうな部活作って下さい!」
勢いよく頭が下げられるが俺には何が何だか分からない。
「えっと理由を聞いても?」
「信じてくれるかどうか」
「友達の言うことだ、信じるよ」
何かボソッと呟くが聞こえない
「やっぱりずるいなぁ」
「えっとなんて?」
「あ、いえ!今のは独り言なんで!じゃあ説明しますね!」
あわあわとした後コホンと仕切りなおすように咳払いすると、語り始めた。
「悟史とかゆう気持ち悪い男は宇宙人で、このままだと地球人は釣り合わない存在として彼の星から不平等な決まりが一方的に来るそうなんです」
「そんなの無視すればいいんじゃないのか?」
なんとも出来の悪いSF映画のようなお話で現実感がない。
「彼らが来るのはもう少し先の未来なんですが、それまでに地球の科学力
が彼らの星より高くなる可能性はないそうです」
「てことはさっき悟史君とはその話をしてたの?」
「はい、私が超能力者である事を知っていたのもそのせいらしいです」
「悟史君のその話が噓かもしれないって事は?」
「私、その人が言っているのが本当か噓から分かるんです」
確かに前そんなことを言っていた気がする。
「それで面白い事がありそうな部活で、何か人の良さを伝えられればもしかしたら未来が変わるかもしれないと」
「なんででも彼がそんな話を君に?」
「僕は人間が好きで面白いから滅んで欲しくないし、最近の君は面白いからだそうです、本当に訳が分かりません」
はぁっとため息つき、紅茶を口に運ぶ。
「そんな顔しないでよ、これでも僕なりに考えた結果なんだ」
誰かが俺の隣にスッと自然に座った。
余りにも自然で反応が遅れ急いで声の主を見るとそこには悟史君が座っていた。
「出たわね宇宙人」
琴音さんが睨むように視線をむけた。
「一応これでも僕なりにどうすれば皆を救えるか考えた結果だったんだよ」
首を竦め、いつも道理の余裕そうな笑みを浮かべる。
「まあでも私からしたら三人とも事件の最前線にいた当事者なんですけどね」
今度は未来人の妹である未咲まで学校を途中で抜けて来たようだ。
悟史君に向かい会うように座り緊張に包まれる。
「その詳しい事を俺らに説明してくれないか?」
そこさえ分かれば何とかなりそうな気がするのだが、そうもいかないらしい。
「余りにも因果の大きな事実をその人に伝えるのは上から止められてるのよ」
「バタフライエフェクトかい?」
「そう、私の目的はあくまでも戦争勃発の阻止、それ以上に大きな事は危険すぎて冒せないって事よ」
「だから当面の間はこの噓くさい宇宙人の言う通りにして様子見しか出来ないわ」
「女の子二人とも僕に当たりが厳しいね、味方は良太くんだけだよ」
やれやれといった感じで俺に寄りかかってくる。
「確かに厳しいかもね」
思わず苦笑いを浮かべる。
「まあでもまずは面白い部活から考えてみようよ、それしか今打てる手はないし」
皆の顔を見渡し話す。
「それなら私一つ考えたわ、相談を解決する部はどうかしら
私は良太くんに助けられた時、すごく温かく感じたわ」
「そう言われると恥ずかしいけど、役に立ててよかった」
照れながら答える。
「それは面白いね、人の悩みを聞けてそしてその人の未来、考え方が変わるかもしれない!聞いただけでゾクゾクするよ!」
両手を広げ、幸せそうに喜んでいるがなんか怖い。
他の二人も同じようでドン引きの目を向けている。
「で部長はどうするのよ?私は嫌よ面倒だし」
「僕はあくまでもそこまで積極的にアドバイス出来る立場じゃないから無理だね」
「私はもうふさわしいのは、あなたしかいないと思ってますよ!」
でも俺にこは三人をまとめられる自信がない。
本日二度目の just do itをしようかと思ったが途端、大きな音を立てながら横のガラスが割れ多くの人影が見えた。
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