物書きは人間じゃないんだ

唸る狂人

奴らは狂人だ。

血を一滴いってき垂らしては、物語を綴る。

その頭を限界まで振り絞っては、抜け殻になった脳から閃きを啜る。

物好きなんて領域なんて、とうに超えて、もはやどうにか人間ですら無くなる。

人の形をした思考回路だ。

そんな奴らがひしめきあっては、また今日も物語の整合性、展開、導入、表現、最高の終わり方を模索する。

奴らには間違いなく何かが見えている。否、見えてしまったが最後、人間は何かに取り憑かれたように物語を描き始めるのだ。

──逆かもしれない、物語を綴ったから何か見えてしまうのかも。

まあ、どうやらそれは取り憑かれた奴らにしか理解出来なかったようだ。