第24話 淀君さんと縁結び③

「もとちゃんはここの神様、誰か知ってる?」

「菅原道真です!歴史の先生が言ってました。これは?」

もと子は社の柱にかかっている数学の問題の書かれた絵馬を指さした。


「これ、和算やなあ。昔の大阪にも数学の問題を考える人達のサークルがあったんや。さすが天神さんや。」

勉強の神様の菅原道真のように頭がよくなりますように。2人は手を合わせた。

 隣のお社は住吉社。


「住吉さん!」

もと子は嬉しそうな声をあげた。

「今日は2回も住吉さんにお参りさせてもらえるなあ。ラッキーや。」

笑顔の2人は静かに手を合わせた。

 住吉社から通路をはさんで神明社がある。


「皇大神宮?あ、ここはアマテラスオオミカミさんや。」

「日本で一番偉い神様ですよね。古事記?日本書紀?習いました。」

「そうそう、天岩戸に隠れてしまったら真っ暗になったってことやから太陽の神様で女神様やんな。」

「じゃあ人生にも日が差しますようにってお祈りしなきゃ!」

もと子に言われてリュウも慌てて手を合わせた。


 神明社の前の通路を進むとすぐ階段になっている。階段を下りて行くと左手に網で蓋をされた弁天池と鳥居が現れる。

「蓋をしてありますね。あ、錦鯉!」


「ここは精鎮社さんやって。鮮魚関係の人の信仰が篤いらしい。弁天さんと恵比須さんがお祀りされてるみたい。弁天さん、恵比須さんと言えば,,,」

金運が上がりますように。美人になれますように。それぞれ心の中で祈りながら手を合わせた。


 同じようにお参りに来ている人達とぶつからないようかわしながら、弁天池の前の通路を右に進むと4つの神社が並んでいる。2人は奥の神社からお参りしていくことにした。

 一番奥の神社は浄瑠璃神社。

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