皆様、これは誤解です!〜空気が読めないお陰で極悪令嬢と呼ばれてます〜

飯杜菜寛

極悪令嬢ミハイル・ジェーンハルト

Prolog


 皆様ご機嫌よう。


 わたくしミハイル・ジェーンハルトと申します。


 只今、人生において最大の危機に瀕してまして冷汗が全く止まりません。


 本当に偶然なんです。


 偶然王城の庭園のお散歩中にて可愛らしい小鳥さんを見つけましたのでその鳥の真似をしたのです。


 まさか後ろから皇太子殿下がその姿を見ていたとは露知らず、私ははしゃいでおりまして。


 決して怪しい呪術などを展開していたわけではないのです。


「あの、信じてはいただけないのでしょうか?」


「信じる信じないというか……。少し距離を置いてもいいだろうか、ジェーンハルト嬢。上手く言えないが、その…貴女が怖い。」



 顔合わせ初日に殿下に嫌われてしまいました。


 此の度、正式に皇太子殿下と婚約させていただいたというのに何という悲劇。


 お父様、申し訳ありません。






 この日から私は誤解が誤解を招き、現在周りの学友の方達から『極悪令嬢』と呼ばれるようになるのでした。


 何も悪いことはしておりませんのに!

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