はとエッセイ
砂鳥はと子
百合小説を書くに到るまで
まずどこから話せばいいのだろう。
取り敢えずざっと遡ると2019年の秋頃だったと思います。
ツイッターで仲良くしていたAさんは、とある百合漫画が大好きで、彼女はよくそのアニメの二次創作をしていました。
私も度々目にしていて、その漫画を手にして、百合っていいなと再認識しました。
元々、好きなアニメの二次創作百合を見ていたので、百合自体は好きだったんです。
そこで私はツイッターで百合用のアカウントを作り、主に百合作品を見たり絵を描いたりしようなどと思ったわけです。
しかしあまり繋がっている人もいなかったため、アカウントは放置気味に。
ただタイムラインを眺めるために、時折覗くだけになりました。
その一方で、何とか百合絵を描けないかとポーズ集を買ったりして一人せっせと描いておりました。
季節は巡り、春になっていました。
世間はコロナの話題で持ち切りです。
私もコロナにびくびくしながらも、久しぶりに覗いた百合アカウントで、ある漫画の宣伝を目にしました。
それはユニ先生の「憎らしいほど愛してる」という作品でした。(KADOKAWA出版なので名前を出しました)
どんな話か一言で説明するなら、上司と部下の不倫社会人百合。
私はこの作品がすごくすごく気になって、購入することにしました。
何故、気になったかと言えば、私も当時会社の同性の上司に片想いしていたからです。(私は不倫はしてませんよ。残念ながら一方通行です)
こんな今の自分が感情移入できそうな漫画なんて他にありそうもない。
私にとっては運命的とも言える出会いでした。
すっかりその作品に魅力されて、初の社会人百合の洗礼も受けて、私の脳内は百合でいっぱい。
どうにかしたい。だけどどうにもできない。この百合への滾る思いをどうすればいいのか。
「私も百合を作ればいい」
と思い立ったものの、私自身は元々絵を描くのが好きで、話を作るのも好きなのですが、いかんせん漫画は描けない。
相変わらず一人でこつこつ百合絵を練習する日々。そんな中で生まれて来る社会人百合の話。
取り敢えず漫画にしてみようと描いてみるものの、下手すぎて描いても描いても悲しくなる一方。
そんな時に、ふとツイッターで見かけたショートショート。
息抜きに私も短い話でも書いてみるか、と思い立つ。
小説はたまにしか書いてなかったし、ここ数年はホラーばかり書いていたので、果たして百合が書けるのかという疑問はあったものの、思いついた話を書いてみる。
すごく短いけれど、百合で何か作りたいという私の気持ちはそれで何となく満たされました。
ちなみにその時書いたものを大幅に書き直したのが、カクヨムにも投稿している「たとえ身代わりでも愛されたい」という話になります。
その時はこの先も百合小説を書こうという考えはなく、しばらく忘れていました。
五月になった頃だったでしょうか。
これもツイッターだったのですが、「こんな百合ドラマが見たい」という画像つきのツイートが流れてきました。
様々な女優さんが並ぶ相関図。
私も、もし自分が理想の百合をドラマを作るならどんな話にするだろう。妄想が広がります。
話が浮かぶ。書いてみよう。
そこで出来上がったのが先々月に完結した「冴子さんと私」の第一話。
この時点では連載ものにする予定もなく、本当に思いつきだけで書き上げました。
六月になり、私は何人かの知り合いに百合小説を書いた話をしたんです。そしたら読んでみたいという方がいて、どうすれば他の人にも見せられるだろうと思案しました。
当時はとある投稿サイトに載せたりしていたのですが、そこは会員じゃないと見ることができませんでした。
わざわざ会員にならなくても誰でも見られそうな所として、某イラスト投稿サイトにたどり着きました。そこは小説の投稿もできるし、絵描きの知り合いの方が多かったので、ここ以上に適した場所はない。
私としては小説置き場、倉庫みたいな感覚で使うことにしました。
そもそも知り合い以外読まないし。
と思っていたのですが、投稿してみたら意外と読んでくれる人がいる!!
特に「冴子さんと私」は予想外にいいねしてくれる人がいて、初めて自分が作ったものが日の目を見るという経験をしました。
そこで私は、取り敢えず他にも書いてみようと、仕事中に思いついた「好きでいてもいいですか?」を書き上げ投稿しました。
この話は自分が思っていた以上の反応がいただけて、「私の小説って人に読んでもらえるんだ」と自信を持った私は、そこから百合は小説にしていこうと決心しました。
投稿先も色んな所に増やして、そのうちの一つのカクヨムでも読んでくれる方がいたため、現在に至ります。
百合小説を書くきっかけがこんなだったので、初めて書いた時は一年以上経った今でも書いているなんて思ってもみませんでした。
最近は以前よりは考えて書くようになったので、勢いだけで仕上げるようなことがなくなり、書くペースが落ちましたが、今でも趣味として続けられているのは、嬉しいことです。
読んでくださる誰かがいるからこそ、今でも書くことができています。
多分この先も百合ばっかり書いて、それしか書けなさそうですが、こんなご時世ですし、元気なうちは好きなものをひたすら書いて楽しみたいと思っています。
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