愛だ恋だにも個性があるので。
星終
プロローグ
学校というより授業がいやだった。というか、言ってしまえば長時間じっとしていることがいやだった。一年生のころから月に二回くらいのペースで仮病を使って、よく保健室で休んでいた。保健室の先生に「今日はもう帰る?」と言ってもらえたらラッキー、そうじゃなくても、一、二時間でも休めれば満足だった。
三年生になってもそれは変わらない。変わったことと言えば今年から保健室の先生が新しくなって、
「
としょっちゅう言ってくるその人にすこしめんどくさいな、と思いながら、
「むかしからなので」
と愛想笑いを浮かべていること。
それから、ある男の子に出会ったこと。
その人は、わたしが保健室で寝ていたときに、体育の授業で大けがをして運ばれてきたのをきっかけに知り合った、六年生の先輩だった。といっても、そのときはお互い顔を見ただけで会話はしなかったけれど。彼はその日から、保健室の先生を気に入ったらしい。毎日休み時間のたびに保健室へ通って、先生とお話していると言っていた。そこへしょっちゅう、仮病を使ってわたしも保健室へ行くものだから、自然とわたしたちも言葉を交わすようになっていった。
「ユナちゃん」「レイくん」
お互いに、名前で呼び合うようになったのは梅雨のころ。夏休み明けには放課後に彼の家へおじゃまするほどの仲になっていた。
わたしは四年生に、彼は中学一年生になって、わたしたちは会う頻度こそ減ったけれど、電話はしょっちゅうしていた。事前に教えてもらっていた彼の携帯番号にわたしが固定電話で電話をかけて、学校終わりの夕方、すこしの間だけれど、彼の声を聞くことができた。そんな生活が、わたしが中学に上がったころまで続いた。
そうして交流を続けたわたしたちの関係は、ただの興味本位で狂っていった。
これは、いずれわたしが人を傷つけるだけの最低な
愛だ恋だにも個性があるので。 星終 @SO_LIL_O_QUIZE_
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