薄明ノあと -題名有り- 縦送り版

⌒薄明ノあと


“天の川”


愛してる

別れた理由

今 分かる


“彼岸花”


永久とわにあれ

彼岸の花よ

永遠とわであれ


“芒”


食えずとも

それでもいいよ

すすきの穂


“秋雨”


息を呑む

秋雨の中

息をのむ


“正月三が日”


三賀日

十日前かよ

クリスマス

 

“蒲団”


温々と

ぐずぐずしては

夢うつつ


“霙”


落ちてきて

あっと言う間も

無く消える


“冬の三ツ星”


オリオン座

溢れる涙

とめてくれ


“春を待つ”


待てば来る

急げば遠き

さくら枝


“晩冬”


素敵だよ

働きものの

指のひび


“3度目の冬”


越せぬ冬

自己責任で

越せぬ冬


“今冬 一”


御自愛を

足りることなき

御時世よ


“今冬 二”


冴ゆる日も

蔓延時も

務めごと


“今冬 三”


日々ふえる

サイレンの音

中途覚醒


“大寒”


薄氷うすごおり

模様を数え

触れてみる


“寒暁”


遅いから

気長に待つさ

あけの星


“睦月”


黄昏こうとう

早梅見せて

いろをくれ


冬暁ふゆあかつき


まばたけよ

冬の明星

あかつき


“冬の娯楽”


事もなく

薄明のいろ

確かめる


“如月”


目を細め

早梅そうばいでる

梅見月うめみつき


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