第80話 スキル集め③

ロックがダメージを負ったこともあり、慎重を期して【隠密】を使いロックが周辺偵察に行く。


なるべく2人の近くにいるようにして偵察するが、どうしても距離が離れてしまうこともある。



そして、ロックと2人の距離が離れた時。




「シャァァアアアア!!」




突然、木の上から虹色の蛇のモンスターが攻撃してきた!



「ミラ!!」



ガブッ!!



ミラを庇ってティナが大蛇に噛まれてしまった!



「ティナ!!」



異変に気づき、すぐに2人の元に走り出すロック。



「[ミドルシールド]!!」


ミラが魔法を唱える。



////////////////////////


[ミドルシールド]・・魔力×3までのダメージを防ぐバリアを展開する。消費MP40。


////////////////////////



ティナの周りに薄い魔力の幕が形成され、蛇のモンスター、虹蛇が弾かれた。


しかし、ミラの魔力はまだ弱い。


弾いた時の衝撃でシールドはかき消えてしまった。



「シャ!…ア?」



追撃しようとした虹蛇の動きが一瞬止まる。


そして、次の瞬間長くうねった虹蛇の胴体から鮮血が飛び散る。


ロックが間に合った。



ロックは走りながら【スキルスナッチ】も発動させていた。


虹蛇の動きを止めるためだ。


一か八かだったが、うまく動きが止まり、間に合うことができたのだ。


もし虹蛇がスキルを奪われた違和感に動きを止めなかったら、ティナとミラ、どちらが攻撃を受けていたとしても死んでいた。



虹蛇は突然スキルが奪われた違和感を強く感じ、さらにいきなりの強い攻撃を受け、動揺していた。


そしてそのままなす術もなくロックに倒された。




『レベルが上がりました。』



シールドを使った経験値でミラがレベルアップ。




************


名前:ミラ

パーティ:ラフリンクス

Lv:25→26

HP:2365→2461

MP:254→263

体力:228→238

力:194→202

素早さ:216→226

器用さ:177→185

魔力:261→270

スキル:

【起死回生 ★★★★】

【中級特殊魔法 ★★★】

【   】

【   】


************




「ティナ!!!

 大丈夫!?」


「大丈夫…、じゃないわね…。

 少し休ませて…。」


「ごめんね…!

 わたしを庇ったばっかりに…。」


「ううん。

 ミラの魔法のおかげで助かったわ…。」


「しばらく休めばティナの【慈愛の祈り】でHPは回復する。

 十分に回復するまで休もう。」


「うん!

 そうしよう!」


「その間に、ミラにスキルを渡すよ。」


「スキル!?

 さっきの敵から奪ってたの?!」


「ああ。

 さっきの敵は 【気配察知】と【急所攻撃】を持ってたんだ。

 おそらく、僕が【隠密】を使ってたから、2人だけだと思って狙ってきたんだ…。

 まさか気配を消すことが仇になるなんて…。

 そしてこのダメージ、ティナは【急所攻撃】を受けたのかもしれない。

 休む間、警戒する必要があるから、今から渡す【気配察知】で敵が近づいてこないか察知してくれる?」


「任せて!」


「<スキルギフト>。」



『どのスキルを誰に与えますか?』



「【気配察知】をミラに。」



『【気配察知】スキルをミラに与えます。』




『【気配察知】スキルを受け取りました。



「ありがと。

 …すごい、相手の強さも感じれるんだね。

 ロック、強すぎ…。」


「周りに敵はいない?」


「うん。

 今のところ大丈夫みたい。

 広範囲も調べられるみたいだから、やってみるね。」


ミラはそういうと目を閉じて集中し始めた。




++++++++++++


【気配察知 ★★★】・・気配を敏感に察知することができる。MPを10消費して、広範囲を探知することもできる。魔力値が大きいほど広範囲を探知できる。


++++++++++++




「…うん。

 離れたところに何体かいるみたい。

 いない方に移動しよう。」


「わかった。」


【気配察知】があるのとないのとでは、旅の危険度や効率が大きく変わってくる。


今の状態で敵に近づかれたらかなりやばかっただろう。



ロックがティナを背負い、ミラが先導する方へ移動を始めた。



移動してティナを寝かせる。


【慈愛の祈り】によって少しずつ回復しているはずのティナは、まだ苦しそうだ。



なんだか様子がおかしい。



ティナのステータスを確認するロックとミラ。


パーティメンバーであればステータスをみることができるのだ。



「しまった…!

 スキルになかったから油断していた…!」

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