朝チュンした女の子は、蛍光ピンクのパンツでした

さばりん

第一章 友人のパンツが蛍光ピンクのパンツでした

第1話 八年越しの想い

はな……今度良かったら、泊りでに行かないか?』


 夏休みのある日、俺森大翔もりひろとは、中学からの友達である乃々村華ののかはなへそう切り出した。


『えっ、大翔ひろとこっちに来るの?』

『そうそう。だから久しぶりにパッと遊ぼうと思って、どうかな?』

『うん、いいよ!』


 こうして、華と約束を取り付けたのが八月上旬の出来事。

 そこから俺はディスティニーのペアチケットを用意して、当日の新幹線のチケットも購入して、準備を整えて迎えた残暑残る九月の中旬。

 東北は熱帯夜になる日は減り、夜は二十度を切るような肌寒い夜も多くなり始め、秋の気配も近づいてきた。

 俺は、今日も華とトークアプリで連絡を交わし合う。


『なぁ、華』

『ん。なぁに大翔?』

『今度のディスティニー楽しみだね』

『うん、大翔と会うの久しぶりだから楽しみ!』

『良かったら都内観光もしてくれ』

『うん、任せて!』


 華は嬉しそうにうざぎのスタンプまで送ってきてくれて、俺との遊びをを楽しみにしてくれている様子。

 俺と華は中学の同級生で、趣味が一緒だったこともありすぐに打ち解け仲良くなった。

 別々の高校へ進学した後も、ちょくちょく休日に一緒に遊んだりして、いわゆる友達以上恋人未満という関係性を築いていた。

 高校を卒業した後、俺は仙台へと進学、華は都内の大学へと上京。

 華と離れ離れになり、俺はふと心の中に寂しさを覚えた。

 そして、くすぶっていた自身の気持ちに気づいてしまったのだ。

 俺が華を女の子として意識していたこと。

 地元で一緒に定期的に遊んでいる頃は、女の子というより戦友というか悪友みたいな関係性で、恋愛に発展することはなかった。

 けれど、こうして物的距離が離れ、気軽に会えなくなってしまったことで、俺は自分の気持ちに気づいてしまったのだ。

 

 俺は、華のことが異性として好きなのだと……。


 これが俺にとっては、初恋なのかもしれない。

 いや、これは初恋を越えた何か、人生史上一世一代の恋だ。

 今回の旅行で、俺は……華に自分の気持ちを伝える。

 華が俺のことを男としてどう思っているのかは分からない。

 でも、もう俺は自分の中だけでこの気持ちを抑えることが出来なかった。

 今すぐに華に会いに行って抱き締めたい。

 そう言った感情にとらわれていた。

 明日、華に俺の想いを告げて、次のステップへと進む。

 そう決意を決めて握り拳を作った途端、ベッドボードの上に置いてあったスマホが振動する。

 スマホの画面を見れば、電話先は華からだった。

 俺は応答ボタンをタップして、スマホを耳元へ近づける。


「もしもし、華?」

『あっ、大翔? ごめんね夜遅くに、もう寝てた?』

「今から寝ようとしてたところ」

『そっか、ごめんね邪魔しちゃって』

「ううん。俺も華と話したいと思ってたから平気だよ」

『そうなの? へへっ……なんか、むず痒いね』

「そうだな……」


 しばしの沈黙。

 でも、お互いに気まずい雰囲気ではなく、どこか甘酸っぱい。

 俺は一つ咳払いをして、話題を切り出した。


「それで、急に電話してきてどうしたの?」

『ん? なんか久しぶりに大翔に会うから、なんか変に緊張しちゃって、声聞いたら落ち着くかなと思って』

「そうだったのか……」

『うん! でも今大翔の声聞いて安心した! 明日十時に東京駅に迎えに行くからね』

「おう、ありがとうな」

『……ねぇ、大翔』

「ん?」

『明日からは思いっきり楽しもうね! それじゃ!』


 そう言って、華は勝手に通話を切ってしまう。

 自由奔放な華に、俺はスマホを見つめながら思わず苦い笑みを浮かべてしまう。


「ほんと、相変わらず変わらないな華は……」


 でも、華が華のままで安心した。

 そういう自由奔放なところも含めて、俺は華のことを好きになったんだから。

 部屋の明かりを消して布団にもぐり、華に会えることを楽しみにしながら瞳を閉じた。

 明日、八年越しの想いを伝えるために……。



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 お久しぶりです。さばりんです。

 久々のラブコメ新作投稿です。

 まだぶっつけ本番で書いちゃった作品です(∀`*ゞ)テヘッ

 今後どうなっていくか構成すら決まっていませんが、楽しみにしていただければと思います!

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