第106話カラコルム渓谷

・・☆☆ 時間は少し遡る


アスカや王女たちと別れ渓谷の入口にいたミレイは、陛下を捕らえるために集まってくる兵士たちの数に驚いていた。


「何この数・・今ならはっきりわかる。この先の渓谷の出口にもかなりの人数待ち伏せてるし、崖の上にも凄い人数いる後ろにも…

これってヤバいかも、これ確実に陛下達と確信して殺しに来てるね」


ライムはこの事パルム達に伝えてる見たいだし、何か連絡あるかな、今の所ライムが上手く魔力を操作して大人数が移動してるようにしてくれてるけど・・


さてどうしょう…ここにいるのがボク一人だと絶対ばれるのまずいし、後ろからも迫って来てる。

うーん転移したミルム達の魔力回復するまで、ここに留まるの難しいそうだね・・

しかたない土煙を維持して、渓谷の中まで進むしかないか・・


『ライムここに留まるの無理そうだから子のまま中に進むよ』


R『仕方ないの。ミルム沢山の人を転移させたから二人とも魔力ないの。

マスター奥に進む危険だけどライム守るから安心するの』


ボクたちは警戒しながら渓谷の奥に進んで行った。


馬車はもちろんライムが収納して、ボクたちは大勢いるように見せる工夫をして土煙で見えなくして、渓谷のかなり深い所まで入り込んでいた。


途中パルム達から念話が入りこっちの状況を伝えた。

パルム達はかなり状況が悪いと、転移ポイントもはっきりわからないから転移が出来ないと言われ、いよいよボクたちがヤバイ状況に追い込まれていた。

そしてパルムがこの渓谷の貴重な情報をくれる。

ボクとライムはの状況を抜け出すために、パルムが教えてくれた双子滝の洞窟を探した。


R『マスター悪い人間の魔力が近づいているの。凄く沢山いるの。崖の上からも何か沢山落ちてくるの』


ドスンドスン

ドスンドスン

ドスンドスン


うわーなにこれ完全に追い込まれてる・・

早く双子滝探さないと・・


ボクたちは上から落ちて来る岩を避けながら渓谷を探し回った。

岩を避け追いかけて来る敵から逃げながら探し続けようやく見つけた。


ザザザザザザザ・・


『見つけた!あそこだ!』


ボクとライムは気配遮断をし洞窟に駆け込んだ


☆……☆……☆……☆……☆

女王一行を待ち構える部隊


第五騎士団長コルトフライヤーは、主宰相トルヤーラトの命を受け女王陛下一行に扮した偽物の一行を殲滅するために、第五第六第七第八の1万5千の部隊を引き連れ、事前に罠を準備した渓谷に追い込むために追いかけていた。


コルトフライヤーは、宰相の部屋に呼ばれ力が増幅するペンダントを渡される。

元々宰相を慕っていたコルトフライヤーは素直に受け取る。その後宰相の指示通り部下たちを集め偽物女王討伐の話し合いが何度も行われる。


コルトフライヤーが身に着けたペンダントは人間の闇の部分を増幅させる魔道具で、打ち合わせの度集まる兵士は次第にその影響を受けていた。

宰相は各部隊長に同じペンダントを渡していた。その結果臨時の政権を熱烈に指示するものが現れ、集団心理の影響もあり政権の交代に異論を唱える者がいなくなっていった。


その結果今回の偽女王討伐部隊が出来上がったのだった。

そして集まった兵士の数は4部隊10000渓谷の出口と入り口に別れ、谷の上に魔法部隊数千が控えていた。女王の偽者部隊の討伐するために部隊を指揮し情報のあった女王一行の部隊をカラコラム渓谷に追い込んでいた。


広められたサリアス女王陛下危篤の情報、緊急処置として宰相トルヤラートが臨時処置として政権を担い、その後魔道具を使い反対派の闇を増幅させ、その臨時政権が女王反対派の多くの賛同を得て、今回の偽女王討伐の行動に至った。


その宰相が掴んだ情報が女王陛下の偽者がベルビューラに現れた後、王女殿下を何らかの方法で操り王都に向かってるとの事だった。

偽者は湖を船で王都に向かってる部隊と、馬車で向かってる部隊があるとの情報で、コルトフライヤー達が馬車部隊を捕らえるために部隊を編成してカラコルム渓谷に来ていた。


船上の偽物は恐らく陽動と判断され、王都湖畔に部隊が念のため配置されている

『あっちは問題ないだろう。宰相直属の精鋭がいるし、この度剣帝の称号を賜ったベントウェイ様がいる剣聖相手でも問題ないだろう』


我々はこの渓谷で偽女王を討伐するだけだ!


「よし!行ったな」


コルトフライヤーは部下に向かって叫ぶ


「これより我々は偽女王一行を討伐に向かう!我々は後ろから追い込む渓谷出口部隊は準備してる罠を起動させ反撃に備えよ!

渓谷中央部隊は偵察部隊からの指示通りに谷に向け魔法を放て!

諸君捕らえたら姫騎士は好きにしていいぞ!」


「「「「おおー!」」」」


・・・・・・・・

・・・・・・・・


「コルトフライヤー様土煙で何も見えません!魔力からしてかなりの数の兵士が移動してるのは間違いないですが・・」


土煙だと・・無駄なあがきを


「いい!このまま追い込め!魔法部隊に指示土煙の位置に石弾を浴びせるように指示!出口部隊に罠を起動させるように指示しろ!」


「了解しました!」


偽女王はかなり若いと聞く、捕らえて俺が楽しむとするかフフフ・・


☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆

あの方の情報とこの道具のおかげで多くの貴族が儂の思うように動きよる。

この国も儂の物になる、あの方にはお礼をせねば、あの方の望みが小さなガキだとは・・死体でもかまわんとは変わったお方だ。

今討伐に向かわせている偽物の女王と一緒にいるらしいから丁度よいわ


あの方はテオラート国で・・・

この闇魔力を多く取り込んだ魔石を届ければ、あの方は喜んでくれるであろう・・

我ら漆黒の女神・・・・・様我にも加護を・・


☆・・・・・・☆・・・・・・☆・・・・・・☆



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