第85話湖畔の町ベルビューラと釣り大会

ボク達は町に入るのに冒険者カードを見せて入った。


「お!嬢ちゃん達小さいのに冒険者か!凄いな、今の時期なら、嬢ちゃん達にもできる仕事沢山あるから来たのか、いいぞ通って!」


「ありがとうございます」


ボクは町に入り、露店で果物売ってる人に聞いて見た。


「すみません、ちょっと教えてください……」


露店の人に聞いた結果。

ここは湖畔の町ベルビューラ人口9000人の大きな町で、明日から3日間ルビーフィッシュ釣り大会があるから人が集まっているらしい。


そのルビーフィッシュは今の時期凄く美味しいらしく、それを目当てに商人が集まってる。


そしてその商人には護衛の冒険者が着いて来てるから冒険者も増えてる。

大会が町長ではなく、領主主催で行われ大会の賞金が多く、その賞金目当てで、国中から人が集まって来ている。


ちなみに大会は年齢制限はなく、冒険者ギルド、商業ギルドでエントリー用紙に記入するだけで、参加できる。


そしてこのルビーフィッシュは、カジキのような魚で、長く尖った口で、獲物を突き刺すので、毎回多くの怪我人が出るので、ギルドには多めのポーションが、ストックされている。


ルビーフィッシュは体長1m~3m重さ80kg~500kgの巨大な魚で、湖の中を高速で動き回る難易度の高い魚らしい


メリー湖はボクが聞いた話をまとめると、前世日本の琵琶湖の10倍はある大きな湖で周囲は約2500kmもある。


「向こう岸が見えない、海みたいだ…」


ボクは、大きくて、釣り上げるのに難易度の高い魚を、どうやって釣り上げるのか疑問に思ってた。


港で、たまたまルビーフィッシュを釣り上げて!帰って来た船を見て納得した。


船は全長5mで帆が張ってあり、手漕ぎ手2人と弓使い一人釣り人、操舵、見張りの6人で構成されていた。


『なるほどね、まあ前世のハワイとかのカジキの大会も数日かけて、一隻の船に何人も乗り込んでチームで争ってたもんね。』


という事は、一人で飛び入り参加なんてできないって事だ、それに船もクルーもいるし、参加する人少ないって思ってた。


そしたらエントリーは50チーム600人以上の人が参加していた。

このメリー湖で漁をしてる人達や、毎年この日のために、船を作って参加する人達が集まって来るからだ。


優勝賞金が5,000,000ジェルだもんなぁ…

みんな張り切るよね、それに釣り上げた魚の買取も、その場で競りが開かれるから、かなりのお金になるみたいだ。


ほんと一大イベントだね、でもこれだけ大きな湖なら、他でもできそうなのにと思ってた。

そしたら、このメリー湖の良港と言われてるのが3箇所しかなかったからだ。


メリー湖は、断崖が続いてたり、強力な魔物がいる森があったりして、大きな港がほとんどなかったのだ。


ここベルビューラは王都、商業都市ヒューイット、職人やドワーフが集まる鍛治の町テングラートへの交通の要所ともなっているからだ。



ほんと人がいっぱい集まってる、参加者だけじゃなく商人、護衛、いろいろいるもんね。


これだけ人がいたら、宿とかもいっぱいなんじゃ…

とにかく情報集めて、からどうするか考えよ。


ボクは商業ギルドと冒険者ギルドで、情報を集めて回った。


参加者には子供もいるからボク達も参加したらと進められた。


子供達は、船ではなく、この町の近くに、いくつか岬みたいなところがあり、そこから釣り上げるらしい。

陸から大物は釣れないが、参加賞が貰える。


それに釣り上げた魚も、大会運営側が、競りにかけるから、通常より高値で買い取られる。


だから船を持って優勝を狙うチーム以外に一般参加者や、子供達の参加も多い。

ただ身体の小さい子供は、最低でも二人以上でないと、参加が認められない。



という事でボクは、冒険者ギルドでエントリー用紙に、ポルムと二人の名前を書いて申し込み受理された。


お!登録できたみたい


「はい!確認しました。チームレイスラのミレ様、ポル様。お二人は冒険者カードはお持ちですか?」


『うわーどうしょう…

サリアス陛下の事件で、ボク達は死亡したことにするって言ってたから、名前誤魔化して二人の髪の色も変えたけど…

町入る時冒険者カード見せたのまずかったかなぁ…』


「あのここに来る途中魔物と遭遇して、逃げる時慌ててバッグごと、おいて来ちゃって、カード持ってないです。」


これで誤魔化せるかな?


「フフそうだったのね、可愛い双子の冒険者さん♪私の名前はアルメアと申します。よろしくね」


バチン


え?ウィンク…


☆☆☆

アルメアは、毎月定期的に配信される、ギルド通信を確認した時に、双子のツインテール姉妹の報告書の事を覚えていた。


毎月行われる、全体ミーティングでも、はっきりと二人の特徴を職員に伝え、最重要冒険者で、絶対に不快を与える言動をしないようにと、伝えた事も覚えていた。


その特徴に一致する人物が目の前にいることに喜んでいた。


『情報どおり双子のツインテール髪の色は違うけど、ほんとめちゃくちゃ可愛いいー♪

たぶん何かあったのね、他の職員にも伝えなきゃ』


「では、お二人の冒険者カード再発行をしますので、少々お待ち下さい」


え?そんな簡単に再発行ってしてくれるの?


ピキ R 『マスターこの人も、このギルドにいる人達もみんな問題ないの』


おお!そうなんだ


アルメアさんが奥に入って、変わりに隣にいたお姉さん二人が、ボク達に話しかけてくる。


「ミレちゃんポルちゃん、私は低ランク受付のサフランと言います。よろしくね バチン」


え?またウィンク


「私は高ランク受付の、キキョウと申します。よろしくお願いします。」


深々と丁寧に頭を下げるキキョウさん


サフランさんは凄く軽い感じするけど、キキョウさんは凄く上品貴族の人みたい…


ガチャ


アルメアさんが、もう一人女性を連れて来る。


「お待たせしました。ミレちゃんポルちゃん、こちらはベルビューラ冒険者ギルド責任者のフリージアです。」


え?何でギルドマスターが出て来るの?


「ようこそベルビューラ冒険者ギルドへ、心配しなくていいわよ。

再発行の人物確認のためだから、フフフほんと二人とも可愛いのね。大会頑張ってね。」


ギルドマスターはボク達を確認してすぐに奥に消えた。

アルメアさんが大会の説明をしてくれる


「大会は、明日朝8時に港にある広場で、領主様の大会開催宣言があります。

必ずこのバッヂをつけて会場にあるゲートをくぐって下さい。」


何か仕掛けあるのかな?


「このバッヂはゲートをくぐると色が変わります。」


なるほど…


「釣り上げた魚は毎日計量所で、計量記録を貰う事。

大会は3日間、1日目2日目共に朝8:00~午後5:00まで、3日目は午後2時までよ!

計量所は5箇所あるから、特設会場に設置されてる地図で確認する事。」



「わかりました。それで質問なんですけど、途中で人数増えたらダメですか?」


「いえ補佐であれば、問題ありません!チーム代表と言う事にしておきます。」


「ありがとうございます。」


お姉さんが補足説明してくれる


「その渡したバッヂは魔道具になっていて、ゲートをくぐると、色が変わります。

それを毎日行われる計量で確認して釣果が認定されますので絶対外したらダメですよ」


ふーん凄いバッヂなんだ。

不正防止も兼ねてるのかな?


お姉さんはボクが思ってることわかったみたいに笑いながら説明してくれる


「フフこのルビーフィッシュは、釣り上げると数時間以内に、保存処理しないと腐敗が始まります。

保存処理は魚が小さいと船でもできますが、大きい魚は港でないとできないから、不正は難しいのです。」


他の職員さんが聞いて来る。


「お二人は大会参加されるのですね、頑張ってね。お姉さん達応援しているからね。」


え?いつの間にかボクの周りに集まって来て、ボク達を見て小声で何か言っていた。


ボクは一応お姉さん達にお礼をいった。


「はい!ありがとうございます。頑張ります!」





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