第82話ミレイはサリアス陛下から逃亡しました。

奴隷商の秘密裏に行われたオークション会場で、ミレイによって派手な爆炎が上がり、騎士たちが駆けつけ会場を包囲する。


包囲が完了し騎士たちが慎重に建物に入って行く。

建物の中は、大きなステージと観客席があり、ステージ上には数十人の子供達が身体を寄せ合っていた。

観客席には商人風の男数人と、貴族数人、傭兵らしき男たちが数十人、全員が魔法で拘束されていた。


会場に入った騎士たちはその光景に全員驚き唖然とする。

そして後から来たサリアス陛下達も、その光景に唖然とする。


唖然としてる騎士達を見て、ホタルは慌てて指示をする


「何をやってるの!魔法拘束は魔力が切れたら拘束が解けるから早くきちんと拘束しなさい!

あなた達はステージ上にいる子供たちを保護しなさい!」


騎士たちは男たちを拘束器具をはめていく。


そして騎士達は、その中に王都で多額の賞金が掛けられた

男達がいたことに驚く。


「こいつはドラードス!貴族の子供を専門に拐う盗賊団黒狼リーダー!こいつら我々の包囲網を何度も突破する屑どもだ!」


「ほんとだ!全員揃ってるぞ!」


そう言って確認していく騎士達、そして確認が終わり、連行して行く。



サリアスは、騎士団や警備隊が、捕らえる事ができなかかった、盗賊団を捕らえたミレイ達に感心をする。


「ホタルよ!こんなに簡単に捕らえられる者達なのか?」


ホタルは首を振る

「こいつは幻影使いです。我々ではなかなか捕らえることはできませんでした。」


ステージに上がった剣王のシャルテが、ぐっすり眠るミレイとポルムを、抱き抱えて来る。


ミレイ達の首には効力を失った首輪がつけられていた。


それを見たサリアスは、すぐに確認をする


「この首輪…隷属の効力は?二人の状態は?」


シャルテは答える


「効力は失ってます。二人はただ眠ってるだけです。」


サリアスは、ミレイを抱きしめる


「よかったわミレイ!どうやって捕まえてくれたか、教えて貰うぞ!」


そう言ってミレイを控えていた騎士に預ける。


「子供達はすぐに身元を調べ親の元に届けよ!身元がわからない者は、孤児院に預けなさい。」


子供達は警備隊本部に連れて行き、身元を調べ、親元に返され、数人が身元不明で、孤児院に預けられる事になった。



オークションに参加していた者達は後日厳しい処分が下された。


ドラードス達は王都に連行されほとんどの者が処刑された。


奴隷商人のバルトラは、背後を調べるため王都に連行された。


ミレイはサリアスが、宿泊する宿に連れて行かれ回復後取り調べを受ける。


ミレイは倒したのは認め、その他の事は答なかった。


☆・☆・☆

ミレイ視点


ミレイは考える。

自分達が、このままこの国に留まるなら、変装して名前を変えなければならないこと。


陛下の呪い解呪がなければ、もう少しいろいろできたのに…

それに陛下もボクを離そうとしないし…これ以上留まるの無理かなぁ


『みんなよく聞いて、ボクたちがここにいたら、いろいろ利用されるからこの国から離れようと思うの』


「あたいもあの人間は苦手じゃ!だからここを離れるのは賛成じゃ!」


ピキ R『ライム達はマスターに従うの』

ピキ ,E 『マスターと一緒なのお』


ボクは、スライム達にこれからの事を話す。


『みんなこのまま留まると、また名前変えて変装もしないと行けないの。

それに王族の人が離してくれそうにないから、ここから離れて違うところに行くから。』


ピキ R 『ライム達はマスターの命令に従うの』


『でも孤児院だけはちゃんとしたいの、孤児院を綺麗にして、ベッドや布団を取り替えて、洗剤作れるようにする』


ピキ p『ポッドワーム召還するの』


『ありがとうパルム!それとミルムにお願いあるの、孤児院に転移用のポイントを作ってほしいの』


ピキ M 『マスター何するの』


ボクはスライム達に孤児の子供達に辛い思いをさせたくない事。

孤児院の子供たちを絶対死なせたくない事。

そして、そのために孤児院を転移ポイントで結んで何かあった時に助け合えるようにしたいこと。

などを伝えた。


ピキ RP 『『マスター前に言ってたこと!わかるのライム達に任せるの』』


おお!わかってくれた…


ピキ E 『エルムはミルムのお手伝いするの』


おお!問題児が珍しく静かだ…

よし♪これで何とかなる!


ボクは孤児院に戻る前に陛下に暫く孤児院で子供たちと一緒にいるからと陛下と同行するのを断る


「何故ミレイは妾の宿舎に来ぬ!」


「サリアス陛下、ミレイはさっきの事でまだ回復してないの、孤児の子供達も不安がってるから、一度孤児院に戻ります。」


サリアス陛下はなかなか納得しないので、提案をする


「サリアス陛下は呪いの件や奴隷の件で忙しいでしょ?ボクも不安なので交代で誰か孤児院を見張って下さい。

これなら陛下も安心するでしょ」


サリアス陛下は、しぶしぶ納得し、孤児院には、護衛が正面と裏口、孤児院全体を見れる場所に見張りを配置してくれた。


見張りの人達には、何か緊急の事がない限り、子供達が怖がるので、孤児院の中には入らないように、お願いをした。


よし♪ここまでは、思いどおりだ。


『みんなこの前の続きを急いでやるよ!』


ピキ R.P.E.M 『『『『やるのおー!』』』』


「あたいも頑張るのじゃ」


こうしてボクの孤児院の大改造をしていった。

孤児院の壁や床敷地内の地面も変えた。

孤児院内のテーブルや椅子、ベッド、布団、食堂も綺麗に使いやすいように改良した。

食器も清潔に保ち安い陶器に変えた。

孤児院の洗剤は全て液体洗剤に変えた。


そしてこの孤児院の仕事は、固形石鹸を香り入りの液体洗剤に変えるための設備とクリーンソープを作る設備を作った。


子供達やユナーラさん達には綺麗にする事の大切さを教え、その為の洗剤の作り方も詳しく説明する。


井戸ポンプから配管を繋ぎ、食堂の大きな水瓶に入るように繋ぎ、小さいながらもお風呂を作った。

もちろんここにも配管を繋いで水をためやすくした。


ユナーラさんとティーナさんはここ数日で劇的に変わって行く孤児院に驚いていた。


子供達は綺麗になった孤児院に歓声をあげ、綺麗なベッドと布団に大喜びしていた。


ボクは改造が終わって設備の使い方を教え、手洗いの徹底と、お風呂も定期的に入れるように、五右衛門風呂にした。

これなら薪さえ確保できれば魔力関係無く入れる。


ボクは子供たちとティーナさんを集めこの町を出て行く事を告げる。


「ユナーラさんティーナさん、みんなボクは明日この町を出て行きます。」


「「「嫌あー!行かないでぇー!」」」

「「「ポルムちゃん意地悪しないから行かないでぇー!」」」


子供達の行かないでコール凄い…

ユナーラさんも残ってほしいって言ってるし


ボクは秘密を守ってくれるならまたすぐに戻って来る事を言うと、みんな話を聞いてくれることになった。


ボクはこの町に留まると、偉い人達と一緒に暮らさないと行けなくなって、ここに来れなくなる事。

このまま出て行けるなら、秘密の方法ですぐに戻って来れる事を話した。


「ミレイちゃんは秘密の方法でいつでも戻って来れるってどういう事?」


ボクはみんなをミルムが作った転移ポイントのところに来て説明した。


「この大きな木に少し細工をしました。ここには見えない仕掛けがあります。」


ボクは実際にミルムに転移して貰う

ピキM『ξξδξδ…ミナージェ!』

「ミナージェ!」


シュン


ミレイが木に手を向けて言葉を発した瞬間にミレイが消え皆驚く


ポルムが残り説明をしてくれる


「妹のミレイは今転移魔法で遥か離れた。場所に行ったのじゃ!つまりこの木が転移する入口と出口なわけじゃ!」


暫くしてミレイが戻ると皆安心したのか、泣き出す子供もいた。


「つまり転移魔法で、転移ポイントのあるところなら、瞬時に移動できるの」


ユナーラさんがボクに確認してくる


「つまりこの事は秘密にしていれば必ず戻って来てくれると言う事ね。」


ボクは頷く


ヒマワリも不安なのか念押ししてくる


「ホントに戻って来てくれるの?」


ボクは目的をはっきりと告げる


「みんなよく聞いて!ボクはまだほかにも大変な思いしてる、孤児や子供達を助けたいの!」


子供達は黙って聞いている


「ミレイは他の町に行ったら、ここと同じように子供達を助ける。

そして同じように転移ポイント作って、移動できるようにするつもりよ。

そしたら作る度ここにみんなが元気してるか確認に来るから」



ミレイは子供達を見つめお願いをする


「ミレイの目標は、この世界の子供達が、幸せに暮らせるようにする事なの!

その為には、みんなにも助けてほしいの!

ミレイが新しい場所で孤児を助けたら、みんなにも手助けしてほしいの。」


子供達の気持ちが変わった?なんかやる気に満ちてる…


「ミレイちゃん!私達頑張る!

他の町の子供を助ける!だから他の町の子供達のところに行ってあげて!」


うわーなんか凄く嬉しい…

ミルムの能力上がったて、転移ゲートみたいなの作れたら、自由に行き来できるよね。


なんかいろいろ楽しみ♪


「じゃみんなミレイ行くから!新しいところに着いたらすぐに戻るからね」


子供達は手を振る


ミルムが転移魔法を唱える


シュン!


一応手紙書いたし、あの強い陛下なら問題解決して王都に戻るでしょ…


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