第80話奴隷商バルトラ商会
メルヘルト国王都に本店を置く、バルトラ商会ギマラス支店は、表向きは雑貨商だが、裏では各国に奴隷を売りさばく奴隷商でもあった。
バルトラ商会は、年に一度の奴隷オークション開催のため、メルヘルト国中から攫って来た子供や、騙して罠にはめて借金をさせた、若い女性の奴隷が集まっていた。
そんな中、バルトラ商会のオーナーバルトラは、部下たちを怒鳴り散らしていた。
「お前たち!今回のオークションは公爵クラスの上位貴族が参加するのだ!
奴隷の数はそろってるが目玉がない!
儂が目をつけたガキを、さっさと捕らえて来い!
そのための餌を、さらって来たのだろうが!」
部下たちは弱気な発言を繰り返す
「先ほども言いましたが、オーナーのおっしゃるターゲットは冒険者です。
我々には捕らえるのは無理です。」
「バカヤロー!なんのために孤児院のガキを攫ったんだ!ガキを捕らえるための餌だと言ってるだろうが!頭を使え!」
部下たちは捕らえた孤児を連れ出て行く
使えん奴らだ!
孤児院に出入りしてた、ガキの双子の冒険者は、今回の奴隷オークションの目玉になる!絶対手に入れたい!あの二人なら2億ジェルは確実だろうフハハ
☆・☆・☆
ミレイは、ヒマワリたちを探し回るがなかなか見つからない
ピキ『マスター匂いが分散されていてわからないの』
うーんどうしよう・・
ヒマワリたちを攫った目的は何?
あの二人可愛いから奴隷にするつもり?たぶんそうだろうなぁ・・
ボクとポルムが町の外れのボロボロの小屋の近くで休んでると、男たちが二人の女の子を連れて近寄って来る。
ボクはすぐに気がつき叫ぶ
「あ!ヒマワリ達だ!」
すぐにライム達が反応する。パルムが魔法を放つというのでボクは手を伸ばし相手に向ける。
すると男たちは慌ててボクの行動を止める
「ガキそこまでだ!そこからちょっとでも動いてみろ、このガキに仕掛けてるこの魔道具が、容赦なく締め付けていくぞ!」
二人には隷属の首輪のような物がついていた。
ピキ『マスターあれ本物、命令で絞まる、たぶんあの中の誰かが命令権を持ってるの』
全員瞬殺できないと首輪が絞まってしまう。どうしたらいい・・
ボクが悩んでるとライムが提案をしてくる
『マスター今は黙って捕まるの、ライム達がいるの絶対マスター傷つかないの』
『わかった』
ボクは冒険者用の安い剣を捨て悔しそうにすると、男たちはミレイと、ポルムを拘束して、荷馬車に乗せると目隠しをされ眠らせてくる
ピキ『マスターこの煙り吸うと眠るの、ライムに任せるの』
『わかったじゃボクは眠らされるけど後よろしくね』
ボクはポルムとライム達に任せて眠った。
めが覚めた時は2日が経っていた。
ボクは身体が小さいから、あの量の煙りはヤバかったみたいで、2日も眠り続けることになったみたい…
ボクが閉じ込められた部屋には、ポルムと数人の女の子と、孤児院のヒマワリとコスモスがいた。
ボクが目覚めると、二人共泣きながら抱きついてくる。
「ミレイちゃん私達のせいで捕まって、ごめんなさい…」
「ミレイちゃんごめんなさい・・」
ボクは二人を落ち着かせて現状を教えて貰った。
☆ボクがここに連れて来られて2日経ってる事。
☆ここにいる子供たちと、他にも捕まってる子供達がいる事。
☆捕まってる子供はオークションで売られる事。
それでみんな悲しそうな顔してるんだ。
よし!
ボクはみんなを安心させる行動に出る。
『ライム、ミルム!ボクの拘束を解いて、この牢の外に出て見せるからお願い!』
ポルムが落ち込んでる子供達に話しかける
「みんな注目!今から妹のミレイが驚く事をするから、よく見てるのじゃ!」
「みんな行くよぉー」
ガチャ
ボト
シュン
……
ボクは牢の外からみんなに手を振る
「はぁーいみんなぁ♪」
「「「えーー!すごぉーい」」」
ポルムも拘束を外して見せる
ガチャ
ボトン
「ほれこの通り、ポルムも余裕なのじゃ!心配しなくてもあたいとミレイがみんなを助けるのじゃ」
子供は他のところにも捕らえられてるようで、その子が気になるのか、口ごもる
「心配しなくても、他の子供の居場所わかったから、みんな助けるから心配しないで!」
ボクは子供達が少し落ち着いたので、ポルムに子供達の事を見てもらって、ボクは少し状況を調べることにした。
『ライム少し調べたいから、気配遮断使って調べに行くから』
ピキ『マスターライムの眷属召還でヒイロラット呼ぶの、意識同調使えばここにいて状況わかるの』
おお!凄い…
ボクはライムに、ヒイロラットを呼んでもらって、他に捕らわれてる子供達の場所と、ここの場所、オークションの情報がいないか調べた。
ピキ『マスター見つけたの、すぐ隣の建物に10人いるの』
隣の建物かならすぐに助けれるね
後はオークションか…
どうせならその時会場で暴れてやれば、参加者も捕らえられる。
上位貴族なんて関係無い!悪い奴出しドカーンってやってよろうかなぁ
ピキ『マスターオークションの事わかったの、明日なの』
明日かぁ…どうする?
ボクが考えてると一緒に捕らえられてる女の子が教えてくれる
「ねぇあなた。私達を助けてくれるの?
だったら早くしないと私達のオークションがあるって言ってたから…」
「ボクに任せて!必ずみんなを助けるから」
ボクはこんな屑を許すつもりはなかった。
怒られるかも知れないけど、オークションに来た貴族も、ギタンギタンにしてやるの」
ボクはヒイロラットにメモを持たせてギルドに行かせた。
☆・☆・☆
ギルドでは飛びだして行った、ミレイ捜索するも見つからず大騒ぎになっていた。
その後孤児院から行方不明の二人も、ミレイ達も戻ってないと情報を持ち帰る。
サリアス陛下は、ミレイのとんでもポーションのおかげで、身体が10歳以上若返り、体調も回復してミレイの捜索の指揮をとる。
騎士達はギルド前に整列し、最前列に剣聖のホタルと剣王のシャルテが並び立つ
「皆ミレイがいなくなって何の手がかりも無いまま3日が経った。
しかし昨日やっと情報がもたらされた。
それは今日この町で我が国で禁止されている奴隷売買のオークションが開かれるらしい」
騎士達はざわつく
「それも商品が孤児院の子供とミレイとポルムらしい。」
それを聞いた騎士達は騒ぎだす。
「何だと!ミレイ様は我々の天使だぞ!許さん!」
「どこだ場所は!ぶち殺す!」
「私のミレイをオークションだと!ぶっ殺す!」
「可愛いポルム様を売るだとぉー!ぶっ壊してやる!」
サリアスは騎士達を鎮め語る
「皆の気持ちは妾も嬉しぞ!この情報はミレイからじゃ!そしてミレイが奴隷の売買される場所で上空に向けて魔法を放つそうじゃ!」
それを聞き騎士達がすぐに反応する
「陛下我々部隊が、監視塔に登り指示を出します。」
「我々残りの部隊で現場を包囲します。陛下は後で剣聖ホタル様と剣王シャルテ様と来て下さい!」
サリアスは嬉しそうに答える
「皆のよろしく頼むぞ!ミレイ達を無事救い出しなさい!」
騎士達は一斉に動き出す。
サリアスはミレイが、小さな魔物まで使役する能力に驚いていた。
私達を助けたあの魔法、それに剣聖でも捉えられない身体能力の高さ…
あの子一体何者?
たぶん人族じゃない…
妾が無理なら、せめて娘のどちらでもいいから結ばれてくれんかの…
あの可愛いミレイの子種は魅力的じゃ…ジユルリ
☆・☆・☆
オークション当日…
バルトラ商会特別会場では、魔道具で遮音と会場が認識できなくなっていた。
参加貴族や豪商は、特別なブレスレットを装着することで、会場に入る事ができるようになっていた。
会場はマスクを着けた、貴族達が席に着き、ステージを見つめていた。
司会者が現れ挨拶をしオークションが始まる。
会場の控え室に集められたミレイ達は、白い薄い服を着せられ、参加者に見せるためにステージに並ばされる。
女の子達は全員涙を流している
ボクは並んだ20人の女の子達を包むように、ライムに見えないように、魔法障壁と遮音魔法をかけて貰う
「みんな今からボクが魔法を放つから絶対に動かないで!絶対みんなを助けるから信じて!」
女の子達は全員頷くと手を取り合う
司会者がボクに、ステージ中央に行くように命令してくる。
「何を偉そうに!あっそうか!この首輪か…全員の首輪隷属解除してるから、ただのちょっとブサイクな首輪になってるけど」
ボクは言われるようにステージ中央に行き周りを見る
ボクは会場に響きわたるように声を発する
「うわーみんなどす黒くて、くっさい臭いしてるです。だから空気入れ換えてあげるね」
ボクは天井に向け左手をあげる。
パルムがボクの合図でファイアーボールを天井に向け放ってくれる
「ぶっ飛べぇーーー!」
ヒュン!
ドカーーーン!
バラバラ
その瞬間会場はパニックになる
司会者が騒ぎだす!
「ガキ何で魔法が使えるのだ!このガキを捕らえろ!」
うわーGみたいにいっぱい出て来たのです。
「ここにいる臭い大人は全員潰してやるのーーー!」
「ミレイよ!ポルムもやってやるのじぁー!」
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