第40話ミザリーの回復と決意
ケイト達もミザリーとメイドが手紙を読み涙を流すのを見て驚く。
そしてミザリーが、自分達の持って来た木箱の中の、少し小さい小瓶を手に持ち、メモを握り締め飲み始めるのを見て驚く。
「「「え?」」」
嘘でしょ?何の疑いなく飲みだしたわ!
いいの?辺境伯婦人でしょ?
ぇーー!
ミザリー様の身体がわずかに光ってる…
あれ回復ポーション?
でも中級ポーションでもあんなに身体に反応しないわ、いったい何なの?
ミザリーは、自分の最愛の息子が、努力して身につけた力を感じていた。
『これがあの子が身につけた力なのね、ポーションまで作る能力。
このポーション凄いわね、今までの疲れが吹っ飛び力がみなぎって来るわ!
それにこっちは洗剤?
しかも髪のリンシャー?
凄いわぁほんと頑張ったのねレイ♪
使うのが楽しみだわ
あの子私が領地の孤児の救済のために立ち上げた支援の事知ってたのね。
モルトンの町の孤児院が町の管理者から不当に扱われる。
その上運営資金まで奪うなんて、絶対許さないわ!
早急に調べるわねレイ
しかしあの子孤児院を救い、孤児に仕事を覚えさせて洗剤を作り、販売して孤児院運営をしょうとしている…
そういう事ね凄いわレイ!
これは私へのメッセージかしら、任せて!
あなたの思いしっかり受けとったわ。
今度は私が愛するレイの思いに答えるから任せなさい!
メイドのメリルも、冒険者のケイト達もミザリーの雰囲気が変わったのを感じていた。
『あの回復ポーション?ちょっと色は違うが、それを飲んでから初老のような雰囲気で、顔はしわが沢山あり今と全然違った。』
ミザリーは最愛の息子レイが生きていて、自分が領地の孤児の救済のための支援を、悪用した者から孤児を救い、その者と闘うつもりでいること。
孤児救済のために事業を起こした事に感動を覚える。
かって荒れた領地だった辺境伯領を、夫と二人で領地を復興させるために頑張ってた頃の、力強いミザリーの姿を取り戻す。
「メリル!この洗剤の効果を試すから場所を移動します!
冒険者の皆様も是非協力して下さらないかしら、風呂も用意します。」
そしてミザリーは改めて護衛のお願いをする
急ぎ準備をして、モルトンに行くので、その護衛をお願いできないかと。
自分の護衛も同行するから、そんなに負担にならない事など
そして準備ができるまで、屋敷の方で部屋を用意させるので、くつろいでほしいとの事。
ケイト達はまずミザリーの変化に驚く。
さっきとまるでオーラが違う…
高貴なオーラが半端ない!
これはとても断れないぞ…
「わかりました。依頼お請けします」
それを聞きミザリーが、メイドを呼び寄せる
「ありがとう!メリル!ヤエ!」
ミザリーが、メイドの名前を呼んだだけで、全てわかってるように入って来て、てきぱき動く。
ケイト達はその動きに見とれてるうちに、メイドに風呂場に案内される
メイドのヤエが風呂の使い方と洗剤の使い方の説明をし、後で使った感想を聞かせてほしいと頼まれる
☆まずお風呂場では、軽くお湯で身体と髪を洗い流す事
☆ソフトソープで手と身体を洗う。
その時、スポンジにつけて、洗ってみてほしいとのこと。
☆髪はリンシャーを必ず使うこと。
「うーんいろいろ説明受けたが、とにかく言われた通りやれば問題ないだろ」
メイドが出て行き、ケイトたちは数ヶ月ぶりの風呂を堪能する
「さすが貴族様ですね、屋敷にお風呂ですよ!」
驚くリンクにマルシェは、風呂好きの貴族なら多い事を教えながら、まず身体を洗うソフトソープを試す。
「これ液体洗剤なんだ…量は手のひらからこぼれない程度」
うーんこんな量で落ちるのか?
ケイトは不安に思いながら、スポンジに洗剤をたらし身体を丁寧に洗っていく。
その泡立ち洗った後の爽快感、香りが今まで体験した事のないものだった。
「ケイトこのソフトソープとスポンジ凄いですよ!何年も蓄積してた汚れが綺麗に落ち爽快感と香りが素晴らしいです!」
「確かに私も感じた!それよりこのリンシャーだ!髪の毛1本1本に魔法がかかったみたいになめらかで香りが素晴らしいぞ!」
「うんうん!これは金貨1枚でも買う!」
3人とも大満足の評価を素直に伝える。
メリル達メイドもソフトソープを体験し今までの石鹸は何だったのか!
驚きの使用感と汚れの落ち具合が全然違う事!
一番の驚きは癒されるような香りがすることだった。
ミザリーは、メイド達とケイトたち冒険者の報告を聞き決意を新たにした。
「私はモルトンの町に行き、冒険者ミレイの行動を全面的にサポートします!」
ケイトはミザリーの発言に驚く、一人の冒険者を、領主婦人が全面的にバックアップする事に
さらにミザリーは強い発言をする
「もちろん彼女の邪魔をする輩は辺境伯家の名において排除処分します!
メリル!ヤエ!準備して、この事を護衛に伝え、サテラにも連絡を取り、私達と合流するように伝えなさい!」
ミザリーは、夫バトラーにモルトンで、不穏な動きがあるから、自分が護衛を引き連れ向かう事を伝えた。
しかしバトラーは反対した。
まぁ当然と言える反応だった。
「バトラー、この件をこのまま放置すれば、多くの領民の不信感が増し、他領に流れますわよ!」
バトラーは状況を考えるも、ミザリーはさらに発言する
「貴方は他にも今問題を抱えてるでしょ!
ここは私に任せて下さらないかしら、モルトンに行けば、今抱えてる問題が解決できるかも知れない…
そんな気がするのよ」
バトラーは考えた、レイが行方不明になり、今まで引きこもっていたミザリーが、領地のために動こうとしている。
自分は動くことは出来ないなら、信頼のおける護衛がついて行くのであればと、ミザリーの提案を了承する
「わかった気をつけて行ってくれ、今アイラの成長が著しいから、護衛の一人として連れて行くといい、並みの者では相手になるまい」
「わかりました。では準備でき次第、明日にでも出発します」
ミザリーは準備を整え、護衛騎士クララ他数名と娘のアイラ、Bランク冒険者ケイトら3名を護衛にモルトンに向かって旅だった。
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