第26話薬師フラーテルと冒険者ギルド

ミレイが、ギルドカードを返してから1週間たった頃、この国の数少ない薬師と調合と錬成師のスキルを持つポーション職人が訪れた。


長い耳が特長の森族エルフのフラーテルは、冒険者ギルドにポーション類の納品と、頼んでた薬草を引き取りに来ていた。


☆参考までに★

ポーション作成に必要スキルは調合と錬成のスキルと魔力が必要になりバイスル王国でもポーション職人と呼ばれる者は20人くらいしかいない

☆★★★☆


薬師は、薬草の成分を抽出して薬湯を作る職人


ポーションと薬湯の大きな違いは、魔力を使うか使わないかの違いと、使用の効果


効果が大きく効き目が早いのが、ポーションで費用は高額


効果は小さくゆっくりと効果が現れるのが、薬湯で費用は少額


☆☆☆



フラーテルは護衛のクローバを伴って受付カウンターに向かった。

フラーテルは美人で、身長も高いためひときわ目立ち、多くの冒険者がフラーテルを見つめている


カウンターに向かって歩いて来る、フラーテルを見つけ、受付のレモンは挨拶をする


「フラーテル様いらっしゃいませ、納品でしょうか?いつもありがとうございます」


フラーテルも受付の女性に用件を伝える


「レモンお待ちかねのポーション持って来たわよ、確認よろしくね」


回復ポーション、魔素ポーション、毒素回復用ポイズンポーションをそれぞれカウンターに置いて行く


コトッコトッコトッコトッコトッコトッ……


「全部で120本あるから鑑定よろしくね」


レモンは鑑定担当のメルティを呼び確認させる、メルティは全て鑑定をし結果を伝える


「フラーテル様鑑定結果をお伝えします。」


中級の各ポーションが計60本

下級の各ポーションが60本です。


買い取り金額はいつものようにカードに入金させて頂きます、こちらが明細になります」


フラーテルは明細を確認しバッグに仕舞い担当のレモンに買い取り薬草の状況を聞く


「レモン依頼していたヒルシル草、マスマナ草、モギナギ草はどんな感じ?


もうストックがなくなるのよ、低品質でもいいわ少しでも持って帰りたいのよ、

近くで採れないなら、報酬あげるから確保してほしいのよ」


それを聞いていたサブマスのオリビアが報告書を持って出て来る


「フラーテル様、今ギルドでは低ランク冒険者が入る森では、薬草類は採取出来ません。


高ランク冒険者が入れる場所ならあるみたいですが、報酬との釣り合いが取れず、高ランク冒険者には断られています」


フラーテルはそれを聞きガックリ項垂れる高ランク冒険者か…

ここでも、そこまでしないと確保できないとは、ギルドになんとかならないのか…


「フラーテル様薬草は少しでもいいんですよね?」


「ええ、もうストックがほとんどないのよ、特にヒルシル草がもう無いのよ!

ヒルシル草は一束でもいいわ!

あるなら持って来て!」


オリビアは頷き、メルティに指示をする、オリビアは2週間前にギルドに登録来た少女が薬草を買い取りカウンターに持ち込んだ事を覚えていた。


「メルティこの前確か薬草を買い取りしたわよね、最近ずっと公衆トイレの掃除してくれてる子供よ覚えてる?持って来て!」


メルティは子供の事は揉めた事もあり覚えてたが薬草の事は、オリビアに言われるまですっかり忘れていた。


『ああそう言えば…あの子供が登録に来た時か、確かに買取した気がするけど…

ダメだ完全に忘れてた、あれどこに置いたっけ?ヤバいかも探さないと…』


「す・少しお待ち下さい…」


マジか…

ヤバいヤバいヤバいどうしょう…

メルティは必死になって探した。

それは廃棄する予定のところに捨ててあった。


メルティは薬草を見つけ安堵する


『よかったぁ…これでひと安心でも変ね、あれから2週間は経ってるのにこの薬草まだ全然干からびてない不思議ね』


メルティはオリビア達の前に薬草を置いて行く


バサバサ

バサバサ


「これで全部です」


その薬草を見てオリビアもフラーテルも固まる


え?私何か間違ってた?

ばれたの2週間も放置してたの、どうしょう…

混乱するメルティに衝撃の言葉が浴びせられる


「う・嘘でしょー!これは高品質のヒルシル草じゃないのぉーー!」


メルティーは驚く


はあ?今なんて言ったの?


「凄いわぁー高品質のヒルシル草が手に入るなんて素晴らしいわ」


メルティーはフラーテルの発言にがく然とする… 嘘でしょ…


他の職員もそれを聞いて驚きの声をあげる


「「「えーーー!」」」


メルティは顔面蒼白になる。


嘘でしょ私あれ病気になってるって思ったから廃棄のつもりで買い取りしたのにもしばれたらどうしょう…


ヤバいヤバい


フラーテルは、よく薬草を買い取りしてくれたと感謝を述べられる


「ほんとにありがとう…

こんな高品質の薬草見たの初めてだ!

魔力をたっぷり含んでいる素晴らしいわ!」


ダラダラダラダラ…

マジヤバい…


オリビアは疑問に思っていた。

あれ?確か昨日保管庫確認したけど何も無かったはずだけど…


そう言えば、メルティから薬草について何も報告無かったぞ、どういう事なの?

メルティの挙動もおかしいし聞いて見るか…


メルティは、薬草の保管の状態について聞かれるのをドキドキしていた。


「メルティこの薬草どこに保管してたんだ?いつもの薬草保管庫に無かったが…」


来たぁ… メルティはこの瞬間終わったと思った。

もう誤魔化せない正直に話そうと


「すみません!申し訳ありませんでした。」


メルティはその場で土下座をする


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る