第27話ミレイの残した薬草

メルティはその場で土下座をする


オリビアは、メルティの土下座謝罪に意味がわからず問いただす。


「どういう事だ!わかるように説明しなさい!」


メルティは正直に話した。


薬草は病気になってると思い、低品質の粗悪品として、1束50ジェルで買い取りした事


少女が文句を言いそうだったので、強引に決めつけ買い取りしたこと


薬草は、そのまま素材廃棄場所に置いていたこと、

さらに少女のギルドカードは、後日問題を起こしたため、剥奪した事などを話した。


「「えーーー!」」


オリビアはあまりにも情報が多過ぎてわけがわからなくパニックになっていた。



『高品質の薬草を粗悪品として買い取り?それを廃棄?何でギルドカードの剥奪?訳わからん…』


フラーテルも高品質の薬草を廃棄場所に捨てられていたことに、ショックを受け倒れそうになっていた。


『うそでしょ高品質の薬草を廃棄しょうとしてたなんて…クラッ …

ん?二週間前?保管庫でなく廃棄場所…

ちょっと怖い気もするが一応聞いて見るか』


「メルティその少女の薬草を買取査定したのはいつ?

その時薬草におかしなところはなかったか?」


メルティはその時の事を思い出す

『おかしなところ・・・ 

そう言えばあの時今以上白い斑点多かったし、薬草自体がなんだろボワーって霧が出て霞んでるような…』


「査定は2週間前です。おかしなところは、薬草の斑点がもっと沢山あったのと、薬草全体がボワーって霧がかかった感じがしてました。」


「最高品質…… 」

くらー

ガシッ


「フラーテル様!しっかりしてください」


護衛のクローバーが倒れそうになったフラーテルを抱き留める


それを見てたオリビアが頭をかかえる

『まさか・・・最高品!嘘でしょ』


オリビアは少女が持ち込んだ薬草が、ギルド初の最高品質のヒルシル草であった事を告げる


「あの少女が持ち込んだ、ヒルシル草は間違いなく最高品質だった」


メルティはそれを聞きその場に崩れ落ちる

『あの子の持ち込んだ薬草が最高品質…私何て事をしてしまったの… ガクッ』


オリビアはこの事をギルマスに報告すると、事なかれ主義のクレタモルトは全てオリビアに任せる、

そんな問題案件は持って来るなと言われる


『何なんだこの男!それでも責任者なの!』


オリビアは腹を立てながらも、今回発生した薬草問題は、必ず素材は鑑定する事を全職員に徹底させた。


フラーテルに謝罪をし、今後再発しないように心がけるむねを伝え、高品質の薬草をオリビアに渡した。


「薬草問題はこれでいいわ、それで今度はギルドカードの剥奪?メルティこれはどういう事なの?そもそもあなたにそんな権限無いでしょ!」


メルティはこの件も全て話した。


Cランク冒険者のマガスが、ギルドの入り口付近で、少女が回復ポーションを懇願するのを鬱陶しく思い、力任せに少女を蹴りあげ少女は重傷を負いました。


それを見てた冒険者の少女が、助けに入りマガスに文句を言いました。


マガスは、その少女を同じように蹴りました。


少女はその行為に腹を立て、ギルド規則を引用して、マガスを責め立てたようです。


それに腹を立てたマガスが、再度少女を蹴りあげようとして、バランスを崩し転倒して頭部強打し気絶しました。


その状況を見てた冒険者に呼ばれ、現場に行きました。

でも私は、少女に冒険者の行動、規則、私の対応等指摘され論破されました。


オリビア様私はほんと恥ずかしいです。

冷静に考えたら全て少女の言う通りで、問題は事件を起こした、マガスにあったんです。


ただそれを少女に正論で責められカッとなり、強引に引き留めようとして最悪の手段をしてしまいました。」


はぁ・・そういう事ね

オリビアは話を聞いてこの場にいる者に伝える


「起こしてしまった事は仕方ない!

今後再発防止のためにもモルトン冒険者ギルドの改革をする!


皆もよく聞いてくれ一応本部には今回の件は伝える。


まず我々モルトン冒険者ギルドが率先して、まず全ての冒険者の意識改革を行う!


詳しくは後日打ち合わせを行い全ての冒険者を集める。


そして再度研修を行い、拒否する者は、モルトン冒険者ギルドでの活動を認めない」


残ってた職員が頷く


「「「「わかりました。」」」」


フラーテルは、話を聞いて気になってた事

Cランク冒険者に力任せに蹴られた少女は重傷よね?

どうしたの?

恐らく下級回復ポーションでは治らないわよ!


少女の身体つきにもよるけど、Cランク冒険者が手加減無しで蹴りあげたなら内臓ぐちゃぐちゃよ!

中級ポーションでも完治は無理!

どうしたのかしら?

メルティに聞いたら何かわかるかしら


「メルティCランク冒険者に蹴られた少女は、かなりの重傷だったのよね?

どうしたの?

ギルドで中級ポーションで治してあげたの?

程度にもよるけど完治は無理だったと思うけど…」


メルティが口ごもる


オリビアも気になったのか、答えるように促す


「最近中級ポーションを使用したと言う報告は聞いてないが、どうしたんだその少女は?」


「それが…」


「はっきり答えなさい!死亡問題に発展してるなら、大問題だぞ!いずれにしてもマガスは冒険者ランク降格!少女への謝罪と賠償だ!


皆もわかってるだろ!何の罪もない少女に冒険者が重傷を負わせる行為!

これは完全に規則違反どころか犯罪だぞ!


もし少女が死亡していたら、冒険者ギルドの責任問題にもなるぞ!

この問題の対処は、私とメルティで行う!

それより重傷の少女が気になる!どうしたんだ?」


メルティは少女との会話を思いだしながら話す


「はい!重傷の少女を連れて行った冒険者…

ミレイ様は自分が治すから必要ないと…


というのもこの子の傷は最低でも中級ポーションでないと治らないと、それをギルドで無償で治してくれるのかと言われました。


私は、中級ポーションは高額だから無理だと答えたら少女は怒り、自分が治すからと言って去ろうとしました。


そこで私は、ギルド職員の言う事が聞けないなら、冒険者の資格が剥奪になると言うと、少女はわかったと一言言って、カードを私に投げて去って行きました。」


はぁー!うそでしょ!

中級以上のポーションを作れる?そんな冒険者なんて聞いたことがないわ!


オリビアは少女が自分で治すと言った事に驚いた、そしてメルティには少女への対応をするよう言い渡した。


「メルティーは先に少女の容態の確認と謝罪!

そして冒険者ミレイに謝罪と、ヒルシル草買い取りの差額分の支払いをする事!

そしてギルドカードをもう一度返却して、再度冒険者として活動してもらう事!

これらを最優先にして、明日から行動してくれ!ディナー補佐をしなさい!」


「わかりました。」

「はい!」


「マガスの呼び出し聴取は!私でやる!デミオ補佐してくれるか!」


「はい!」


オリビアはメルティーに注意する


「いいか!絶対機嫌を損ねるような事をするなよ!

彼女はまだ最高品質の薬草を持ってると思う!

だからくれぐれも注意してくれ」


「「わかりました」」


フラーテルは少女が自分で治すと言った事が気になっていた。


最高品質の薬草を持っていた少女、重傷者を自分で治す事ができる少女、もしかして彼女は上級回復ポーションを作れる?

持っている?実に興味深いわ是非一度会って見たいわ


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る