第18話シルフェルト公爵家
☆・・時はレイ襲撃前まで遡る
・・・・・・
僕はあの日から、この復讐のためだけに頑張って来た!
忘れもしない、あのパーティーでの事は・・・
☆・☆・・・
好みのメイドを見つけ、いつものように難癖をつけ、控室に連れ込もうとした。
そしたら、辺境伯家のチビ女に見つかり、いつものように、家名を盾に抑え込むつもりが・・・・・・
あのくそチビは偉そうに… 何度思い出しても腹が立つ!
「シルフェルト公爵家ナルシス様!
貴方このパーティーが誰の主催かご存じですよね!
そのパーティーの席で王家がパーティーのために派遣を依頼したメイドに難癖をつける!
この事がどういう事かわかりますか!」
「な・難癖などつけていないぞ!」
「はっきりそう言い切れますか?」
「…言い切れるぞ!」
「わかりました。では会場に行きましょう!
主催者の王妃様に、事情を説明し貴方が無礼な態度を取られた場所に行って、その近くにいた人達に、集まってもらい証言を取りましょう。
そうすれば、はっきりするでしょう」
何言ってるこいつ!
「はぁ?ふざけるな!こんな些細な事でパーティーを中断してみろ大問題になるぞ!辺境伯家のぶんざいでいい気になるな!」
こいつ何で引き下がらない!
公爵家だぞ!わかってるのか!
今までこんな事なかったのに、何なんだこのチビは!
「はぁーほんと何もわかってないお馬鹿なのですね。
いいですかよく聞いてください!
王家主催のパーティーでメイドが公爵家の者に性的嫌がらせをされた。
この事が派遣されたメイドさんの貴族に伝わり王家に報告が行く
それを聞いた王妃様やお披露目会主賓の王女様はどう思うでしょうか?
たかがメイドの被害で終わると思いますか?
王妃様も王女様も同じ女性です!
しかもこの国のトップに立つ立派な女性です!
たかがメイドの被害で済まさないと思いますよ!」
王妃様や王女様が僕がやったことで謝罪すると聞き、僕の頭の中は真っ白になった、もうどうすればいいかわからなかった。
それからボクがメイドに謝罪すれば、問題はこの場だけで治まるとわかり、即謝罪しその場を離れた。
そして帰って暫くして、父上に呼び出された。
パーティー会場での事件が発覚し、今まで叱られたことがない父上に、激しく叱責された。
今まであんな怖い父上を見たの、初めてだった。
結果ナルシスは、王家のパーティーでメイドを連れ込もうとしたことで、父親から自室に1か月謹慎と毎月金貨5枚500,000ジェル与えられていたお金も、半年間停止を言い渡された。
「くそ!あのベルモルトのチビ!あいつのせいであの事が後でばれ、父上が陛下から呼び出され注意を受けた。
そして、戻られた父上に激しく叱責され、1か月の自室で反省と、こずかいの停止だ!絶対許さん!」
ナルシスは全く気が付いてなかった。
あの事件が公の場で発覚すれば、女性の働く立場を守る活動を推し進めるエレミア王妃が、たとえ公爵家でも注意せざるを得ない。
それが軽い注意勧告でも、公の場で行われるのと、今回のように個人的に呼び出され注意されるのとでは、まるで違う事を・・
ナルシスは、今まで散々好き放題やって来て、誰にも注意などされなかった。
それがこの前パーティー会場でいつものように好みのメイドを見つけ、酷い難癖をつけ公爵家の控室に連れ込もうとした。
それをベルモルト辺境伯家の、チビ女に咎められた。
いつもなら公爵家の名を出して、抑えるのだが、全く通じずパーティー会場裏とはいえ、醜態をさらす状況にまで追い詰められた。
今まで身分の下の者に、謝罪などした事がなかった、謝罪をさせられたのだ。
ナルシスは悔しいが、大衆で恥をさらされ、公爵家の家名に迷惑がかかるのを避けるために、チビの言うように謝罪をした。
ナルシスにとって、最大の屈辱だった。
ナルシスはこの時から、レイに対し激しい復讐の思いをつのらせていたのだった。
☆・☆・☆
やっとこの時が来たぞ!
ボクは公爵家の嫡男だ!
恥をかかされそのまま引き下がれるわけがないのだ!
あのチビは捕まえて奴隷にして、僕の力を見せつけてやる!
強者に逆らう事が、いかに愚かな事だとわからせてやる!
フフフ・・・まぁ可愛い顔してたから成長するまで、僕が飼って性奴隷にでもしてやるか
コンコン
扉の向こうから、ナルシスが手配した闇ギルドの者が声をかけて来る。
「ナルシス様準備は整いました、ほんとによろしいのですね」
「くどい!予定通りにやれ!どんなに傷つけても構わん!
必ず捕らえて連れて来い!他は絶対手を出すなよ!」
「わかりました」
この日のために今まで貯めた金、全部つぎ込んだんだ!
止められてたまるか!
あのチビの首に、苦労して手に入れた、闇魔道具のこの隷属の首輪を、つけるのが楽しみだったんだ!
さっさと連れて来い!
高い金払って、辺境伯家の事を調べガキ二人の小さい方の行動を、調べ外に出る機会をうかがった。
すると毎年、領地の村や町に収穫の時に、領主一族は領民との絆を深めるために、収穫祭に出かける事がわかった。
これはチャンスと、父上の書斎に入り蜜蠟と封書を手に入れ、辺境伯家当主を前回のパーティーでの事の謝罪をしたいから王都の公爵家の屋敷で夕食でもと文書を送った。
確か辺境伯頭首は、元々Sランク冒険者
単独でSランクの、ワイバーンを討伐するくらいの猛者と聞いている。
だから引き離したかった。
残った家族は女だけだ。
闇ギルドの、メデラルトに作戦を聞けば、盗賊を使い馬車を襲わせ、獣魔師3人で魔物を召喚
そして魔物に攪乱させ、護衛と家族を引き離すと聞いた。
フフフもう少ししたら、あのクソ生意気なガキに、この隷属の首輪をはめて、隷属できる・・
まず動けないように脚の腱を切って・・
コンコン
今度はなんだ!せっかく気分がいいのに
「なんだ!」
「セバスです、お坊ちゃま奥様がお呼びです」
お母様が?何だろう・・
「わかったすぐに行く」
フフ会えるのが楽しみだよ。
ミレイ、きみがこの隷属の首輪をつけた後どう変わるのか楽しみだよ・・
☆・☆・☆
数日後闇ギルドから連絡が入り、対象は連れ去ることが出来ず、魔物と共に深い谷に落ちたと報告が上がる。
その谷はAランククラスの魔物が多くいる谷で、落ちたら高ランク冒険者でも助からないとの事
しかも対象は、バーストボアに腹を串刺しにされた状態だったと、それを読みナルシスは残念がるも、暫くしてニヤニヤ笑いだす。
「バカなガキだ!このナルシス様に恥をかかせた罰だ!
そうか魔物と一緒に落ちて死んだか、フハハハざぁまぁみろ!
これで気分よく、また女に手を出せるフフ」
そうだ!闇ギルドを紹介してくれた、トレイル伯爵の約束守ってやらないとな。
こういう事は、何でもボクのわがままを聞いてくれる、お母様にお願いすれば上手くやってくれる。
あの時も、お母さまにもみ消してもらったし。
お母様は、ボクがシルフィー王女と結婚して、この国の王になるのを楽しみにしてる。
僕は、そのために王女に、気に入られる行動を取るだけだ。
シルフィー王女か、気が強いって聞いてるけど、その女を従わせるのもまた楽しみだよフフ
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