暗闇の中での決意


――ビチョン。ピチョン。 



額に落ちてくる水滴で目が覚める。


「――――――うっ…。何処だ……ここ?」


――当たりを見渡す

辺り一面薄暗い。いわゆる鍾乳洞のような感じだ。

近くに、ヒカリゴケ――魔力を吸収して光る植物。

があるおかげで、周囲数メートルであれば目視で確認できる。

そして、俺の近くにスレアと、レイナ


だが,セレネとシルビィの姿が見えない。

「セレネ!シルビィ!居るか?」


……返事がない。


セレネとシルビィなら、無事であろうと祈りながら再辺りを見回す。


スレアとレイナの姿を探す。


周りに意識を向けていなかったので気づかなかったが、すぐ近くにいたようだ。


「レイさん。ここに居ます…どうやら、足をくじいてしまったみたいで…」


スレアは足を怪我しているみたいだ。


「……。私は全然平気よ」


2人とも一応は無事なようだ。念の為に持ってきた回復薬を飲ませる。



「ここがどのくらい深い階層なのか現時点ではわこらない。だからひとまず食事でも食べて気分を休ませよう」



「あんたに指図される筋合いはないわ」

相変わらずレイナはこの様子だ。


「そうか」


無言で指をレイナへと向ける。


“ズドンッ!”









「グギャァ」


後ろから迫っていた,魔獣の頭を撃ち抜く。


「この程度の魔獣に気づかないとは、口ほどじゃないか? ここから出たいのはお前も同じはずだ。今は俺に従え」


「………分かったわ」

レイナも渋々認めた。


「まずは、状況を共有しておこうと思う。何が起きたのかはおおよそは予想できる。恐らくあの魔獣が死ぬ前に発動した自爆のせいだ。恐らくここは先程と同じダンジョンではある筈だ」


深ければ深いほど当然、魔獣の強さ・練度・知能・数も増えてくるので,攻略するための専門パーティを組む必要があるのだ。


「レイさん…私どうすれば良いですか…? お姉ちゃんやレイさんの足を引っ張ってしまいます…」


スレアが泣きそうな様子で細々と尋ねてくる。


スレアを見据えながら,問いかける


「スレアなぜ俺が選ばれたか分かるか?」


「それは…レイさんが強いからでしょうか?」

おどおどとした様子で答える。


「そうだ。俺は強い。何があってもお前達を守れると判断されたから皇帝直々に選ばれたんだ」


「…一体。それがなんだって言うのよ?」

レイナが訝しむような目で見てくる


「まだわからないのか?優秀なお嬢様な割に勘が悪いじゃないか。俺が言いたいのはこれはある意味チャンスだ」


「…チャンスですか?」


「そうだスレア。お前達は普段は訓練だけで、実践練習はしていない。実践練習を積まないといくら練習しても強くは慣れない。つまり,今のこの環境学部お前達が強くなる最高の環境と言うわけだ」


「レイさん。私強く慣れますか?皆んなを守れる…姉みたいに強く慣れますか?」


「任せろ」


「別に貴方の事を信用したわけじゃないわ。本当に強くなれるのかしら?スレアも私も」


「俺が誰だと思ってるんだ?この程度なんざ、困難じゃない」


スレアは覚悟を決めた様子で強く頷き、レイナも不敵なな笑みを浮かべている。


「まずは飯を食べるぞ。その後は,作戦会議だ。指揮は俺が取る。必ず強くなって帰るぞ」


「当たり前よ(はい!)」








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