18話 愚者


ズバッ ズバッ ズバッ 目にも留まらぬ速さで、ゴブリンの首を跳ね飛ばした。



目の前には5匹のコボルトの死体が転がっている


僕達のパーティーはダンジョンに入ってから、順調に攻略を進めていた。


今もコボルトと遭遇したが、なんなく倒せた。





槍弓のパーティー構成はこんな感じだ


タンク

→ ジャック【無精髭を伸ばしている、巨漢】


魔剣士

→ ルキ【リーダーを務めている。赤髪】


支援職バッファー

→リリー【金髪の美少女、天然】


魔導士メイジ

→エルザ【黒髪の美少女、ミステリアス】


盗賊シーフ

→コレット【白髪の美少女、お金に目がない】




基本的に僕はアタッカーを務めている。


非常にバランスが良い編成だったためダンジョン攻略も捗った。


ある程度まで進んだ僕達は中ボスを倒したら引き返す事にした。



この階層の中ボスは【ゴブリン ウォーリアー】


体長は二メートルほどで、長い槍を扱う。蒼色の皮膚をしているゴブリンの上位種だ。


流石にソロだとレイもキツかったのだが、あいにく今は槍弓のメンバーがいる為、討伐は簡単だと予想した。










しばらくダンジョンを散策していると、目の前に蒼色の皮膚に、長い槍を持ったゴブリンが姿を表した。


「おい…… 出たぞ」 


リーダーのルキが短く告げた。


それが開戦の合図となり、僕達は即座に持ち場へ着く。




「魔法障壁マジックシールド、生命の祝福ライフエッセンス」


リリーのバフが僕たちを包んだ。



ゴブリンウォーリアーはすでに臨戦態勢で槍を構えておる



「行くぞッ!」


そう告げつつ、ルキが斬りかかる


だが、その一撃は見事に避けられ一瞬の隙が生まれる。


ゴブリンウォーリアーはその隙を見逃すはずもなく、長槍をルキに向けて突き出す。


“バギバギッ”


「ぐうッ」


ジャックがその一撃を受け止めるが、あまりの威力に弾き飛ばされた。


僕は攻撃後の硬直を見逃さず、すかさず斬りかかる。



『生命の祝福キュア、炎槍ファイヤースピア」


魔導士のエルザさんも、ジャックを回復魔法をかけ、攻撃魔法で援護してくる。




僕は何度も斬りつけるが、皮膚が硬すぎていまいち致命傷を与えられていない。



「おいおいっ! なんだこいつッ 攻撃が通らねーぞッ!」


ルキも思っているようにダメージを与えられず苛立いらだっている様子だ。



「ーーッ、これって、ほんとにゴブリンウォーリアーなのか!?」


僕は相手の猛攻を凌ぎつつ、ルキに聞く。


「こんなに強いなんてありえねぇ!」


「なら、一旦撤退するか?」


「いやっ お前ら少しだけ時間を稼いでくれ」



どうやらルキは奥の手を使うようだ。僕は言われた通りジャックと協力して敵の攻撃を凌ぐ。


敵の攻撃を避け、隙を見て攻撃、何度か攻防を繰り返していると後ろから声が聞こえた。


「お前ら! 準備ができたぜッ!


魔剣強化 属性付与エンチャント【風雷】」


直後ルキの持つ魔剣が光を放ち始めた。




その魔剣は敵の皮膚を易々と貫いた。



「ガギャアアアアッ」



そのまま、畳み掛けるように攻撃を仕掛けた。




「ガァ! ガァぁ...... ァ」



数分も経たないうちに決着はついた。


強化された魔剣のおかげで、だいぶ倒しやすかった。



「じゃあ 早いとこ剥ぎ取り済ませちゃおうか」


ルキの提案にみんな持つ賛成し、手早く解体を済ませた。









「さて、この後なんだけどもう少し潜ってみようと思う」


「今日はもうゴブリンウォーリアーを倒したんだし、撤退でいいんじゃ無いか?」



「いや、行けるところまで行こう」



僕の提案を却下したルキはそのまま歩き出そうとした。




「ダメっ!」


が、突如 盗賊のコレットが叫んだ



「付近を索敵してたら、奥に一つだけ反応を見つけたの!」


「なら、そいつも倒しに行くかい?」


「ダメ! 今までとはレベルが違うのッ!」


「ここはまだ浅い層だぜ?」


「なんだコレット こんな浅い層にそんな化け物みたいに強い奴なんているわけないだろ」


ジャックはコレットの訴えをあしらう



「よし 決まりだね。そうと決まれば先へ進もう」


ルキはすでに進む気満々である




僕たちは気を取り直し、再び攻略を再開した。















ーーここで引いておけばよかったにもかかわらず

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る