踊る人形
今回は「踊る人形」を取り上げます。××ものの作品として有名で、これをご覧いただいているかたには伏せ字を用いるまでもない感じはしますが。
事件はヒルトン・キューピッドの屋敷に奇妙な落書きが描かれたことから始まります。人形が踊っているような謎の落書きを見て以来、ヒルトン・キューピッドの妻エルシーの様子がおかしい。
依頼人はヒルトン・キューピッド。ホームズは素っ気なく対応します。
この辺りの依頼人の熱量とホームズの淡白さのコントラストはドラマのほうがより伝わります。なんとか場を取り持とうとするワトソンの姿もあいまって序盤のB221のシーンはコントを見ているよう。
序盤のマニアックな見所は南アフリカ株の購入を巡るホームズの推理のあとでワトソンがホームズの状態を推理しかえすシーン。ここでワトソンの推理を聞いた後でホームズが見せるリアクションが個人的に大好きです。
ホームズを演じたジェレミー・ブレッドの魅力炸裂しています。
踊る人形がなにを示しているかというのが作品の肝。
演技としてはヒルトン・キューピッド役の妻を想いながらもどこか身勝手な感じと、秘密を抱えていそうな妻エルシー役に注目。なにより後半に登場するある男性の演技がいいです。これは声をあてた人の力も大きいでしょう。
【この先、ネタばらしあり】
用心に用心を重ねましたが「踊る人形」は暗号ミステリです。伏せたのは、これが暗号、絵柄がアルファベットだとわからないうちは落書きがなにを示しているかわからないという雰囲気を大事にしたかったからです。
暗号を解き終え、解読したメッセージを小さい黒板にホームズが書き、慌ててB221を飛び出し、二人が去った部屋に残る黒板のメッセージがうつる演出は映像ならでは。
暗号を使って通信していたエルシーの婚約者でゴロツキの男の演技がグッときます。
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