2
月夜はぽんっと、自分の胸を叩く。
「ぼくなら、だいじょうぶにゃ。もう、いっかげつも、ちゃんとしごとをつづけているにゃ」
「そうだね。わかっちゃいるんだけどね……。月夜は、
「でも、にんげんのひきゃくも、おなじにゃ」
「そうだけど、仕事量は月夜のほうが、多いんじゃないかね。それに私が心配している一番の理由は、月夜がまだ子供だからさ」
月夜はお蘭の顔を見上げた。お蘭の表情は、心配そうなかげがさしていた。
居心地が悪そうに、月夜は手をもじもじとさせる。
「やっぱり、めいわくかにゃ……? ぼくがしごとするの……」
月夜の顔をうつむかせて、耳もぱたりとたおれる。あまりにもひどく落ち込んだ様子の月夜を、お蘭は抱き上げた。
「あぁごめんよ、月夜。迷惑なんかじゃないよ。私が心配しすぎるのが、いけないんだ。おまえは立派に仕事をしてくれているよ。さあ、とっておきのものをあげるから、機嫌を直しておくれ」
お蘭が取り出したのは、かつお節だった。月夜は目を輝かせる。
「かつおぶしにゃあ!」
「これで許してくれるかい?」
「しかたないにゃあ」
月夜は嬉しそうに、はぐはぐをかつを節を頬張った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます