第2話 音楽室にて

その日は、音楽の選択者は、ギターの実技テストがあった。


「先生、テストの準備するから、ペアになって、練習してて!」


「はーい」


教室が一気に騒がしくなる。

真面目に、練習している人もいるが、ふざけている人もいる。


教室の前の方から、青木くんが歩いてくる。


「テストめんど〜い」


周りにいる仲がいい男子と話している。

実際青木くんは、小宮くんと一緒に居ることも多いが、基本的には、他の別の友達と居ることがほとんどなのである。


「ねぇ、テストできそう?」


さっきまで他の男子と話していたのに、急に小宮くんの方を振り返る青木くん


「え、あ、うん…!」


少し驚いた顔をしているが、嬉しそうな顔をしている。

とても分かりやすい。


すると、青木くんが、小宮くんの頭に手を添えた。

青木くんは、少し微笑む。


「がんばって」

「…?!!」


小宮くんの背景に小さい花がぽわぽわ溢れているのがわかる

それくらい、小宮くんははにかんでいた。


「えへへっ」


そう言いながら、小宮くんは嬉しそうに下を向いていた。

青木くんはそんな、小宮くんを見て、また、話していた男子の方に行ってしまった。


ほんの一瞬ではあったが、確実に2人の空間がそこにはあった。


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遭遇者 りんりんご


音楽の選択授業でたまたま、青木くん小宮くんと一緒になった。


ギター実技テストの前だったんだけど、2人ペアで合わせることになったの。私のペアはすぐに見つかった。

そういえば、あの2人はどうなったのか気になったから、周りを見てたの。


そしたら青木くんが、小宮くんの頭をぽんぽんってなでながら「がんばって。」って言ったの。

そしたら小宮くんは、「えへへっ」て言ってたの!


めちゃかわいかった。



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