私の目が悪いのか君達の距離感がおかしいのか

結城 うか

第1話

高校に入って数週間たった。


隠してはいないけど、あまり人には言っていないが、自分は腐女子だ。

ラッキーなことに、同じクラスにいる一人の腐女子の子と入学早々に仲良くなれた。

気がつけば よく通話する仲になっていた。

今日もスマホの画面には、【りんりんご】と表示されていた。


「そういえば、中野くんっているじゃん?」


あまりクラスの男子の顔を覚えていないが、なんとなく覚えている。

異常に顔が良かった。


「あぁ…いるねぇ…その子がどうしたん?」


「距離、近くない?」


最初は女子かな…?と思った。

でも違った。


「木下くんと」


そういえば、居たな。そんなやつ。

生憎、クラスに馴染む事に精一杯だった上、席が一番前だった。

そのせいで、顔はいまいちわからないが、今話してるりんりんごは、一番うしろの席。人が行き交う休み時間なら、席を立たなくともクラスメイトの顔が見れる。


普段、男性声優の顔面などを見ては、尊いを連呼している彼女が目をつけるのだ。かなり顔が良いとみる。

念の為に確認を取る


「木下って顔良い?」

「良い」


即答だった。


「なんか異常に距離近いんよ!あと、顔もいい!!」


たしかにそうかも知れない。

そういえば、その2人以外にもいたなぁ。距離が近い2人。


「そういえば、小宮くんいるじゃん?席近くなんだけどさ、」

「あ〜あのちっちゃい子ね」

「そう。たまに、たぶんなんだけど、青木くんだったはずなんだけど、席にくるよ」


なにせ、クラスメイトの顔と名前がまだ一致してない。微妙なんだけどね、と付け足す。


「わ、まじか!明後日見よ!」

「いいね!」

「ねぇねぇ、他にいる?」


興味ありげに聞いてくるが、これ以上はわからない。

そっち、のほうがみんなの事いっぱい見れるでしょ?というとたしかにぃと一人で納得してた。そんなところも可愛い。





気がつけば、午前3時の文字が画面に映し出されていた。

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