主人公になりたい 〜とっても可愛い嫁候補たちがいるリア充イケメンな俺はただ一人の女を振り向かせて見せる！〜

第18話 俺の宣言。

　事故はできればなかった方がいいと一応は思っている。

　事故がなければ今の俺はいないがまた違う俺がいるだろう。

　その人生こそ俺が幸せになれる道だったかもしれない。

　でもさ、起きちゃったもんはしょうがないだろ。

　あの事故がもし、どんなことがあっても俺や海斗、または悠亜に降りかかるものだったというのなら。

　運命だったというのなら。

　俺は海斗を、大事な友達を守れて良かった。

　たとえ俺が大怪我をして苦労しようとも。

　もし、あの時がもう一度訪れるとしたら。

　俺はまた海斗を助けるだろう。

　そしてまた大怪我をするだろう。

　もしかしたら死ぬかも知れないけど。

　まあ、それでも。

　助けれないよりかはマシだ。

　いつだってヒーローや英雄は大切なものを守る。　

　自分を犠牲にしてでも、どんな苦労が、壁が、絶望が待とうとも。

　笑顔で、みんなを助ける。

　そんな物語の主人公たちに俺は憧れたんだから。

　そしてなりたいと思っているなら。

　その主人公たちのように大切なものを守るなんて当たり前だ。

　俺は主人公になるのだから。

　俺は、黒咲 空は、主人公になりたいから。

　俺は何度選択をやり直す機会があっても俺は同じ道を選ぶだろう。

　その選択に間違いなんてなかったと信じているから。

　でも。

　一つだけ。

　思うことがある。

　あいつに会いたい。

　もう一度会いたい。

　会って俺のことを釣り合わないなんて言って振ったあいつを見返す。

　もう二度と釣り合わないなんて言わせない。

　俺は主人公だ。

　負けても振られても何度だって立ち上がってみせる。

　それに負けっぱなしなんて主人公じゃないだろ？

　だからリベンジだ。

　だってそれが、俺の選んだ道でありこれからも俺の進むべき道だから。

　俺は拳を天井に向けて突き出し、昔にした宣言を口にした。

「俺が絶対に主人公になってやる」

　宣言をして自分の進む道を再確認した時、俺は一つ失念していたことに気づいた。

　とんでもなく、恥ずかしい。

　ここが俺の部屋でも俺の家でもなくて柊 悠亜の家で部屋だってことに。

「「あっ……」」

　そして目が合ってしまった。

　終わったな。