158:封印解除の方法
セレスティアはカイエルの様子が何だか落ち着かなくなっている事に気がついた。
「?」
「えーと、まぁ・・・機会を待ってたんだよ。ソロソロかなって思った矢先に、まぁ遠征行きになっちゃったからなー」
カイエルは何だか、明後日の方向を見て、話をはぐらかしたいのか頭を掻いていた。
「機会を待っていた?500年以上も経ってるのにまだ待たなきゃいけないものなの?あ、順序があるとか?」
封印解除には段階があるもかもしれないと、セレスティアは思ったのだ。
「あー、うん。そうだな、順序があると言えばそうだし、同時も可能だったけど、まぁ今回の場合で言えば・・・まぁ順序・・だな。・・・うん。」
(順序があって、機会を伺っていた?)ということに、セレスティアは意味がわからなかった。
「そうなのね。じゃ遠征先では、できないものなのね・・・帰ったらすぐにでも(封印解除)できそうなのね?」
「え?いや!えーと、こっここでもできるちゃあできるんだけど、やっぱり、その!」
カイエルは顔を真っ赤にして、言う事に要領を得ていなかった。
「ん?ここでもできるの?じゃ早く(封印解除を)やりましょうよ!」
セレスティアは一刻も早く封印が解けるのならと思っての事だったのだが、カイエルは更に顔を真っ赤にして、
「ば、ばばばばバカ!女がやろうとか言ってるんじゃねぇよ!」
「え?」
カイエルとセレスティアは顔を見合わせて、しばらく沈黙だった。そしてセレスティアはカイエルの真っ赤になっている顔を見て気が付いたのだ。
「え・・・あの、まさか・・・」
セレスティアはわかったのだ。封印解除が番である自分とカイエルとの肉体関係であることを。
「まぁ・・・そういうことだよ。」
カイエルは真っ赤になってそっぽを向けた。
「えーーーーっ!」
セレスティアは、顔を真っ赤にして思わず大きな声が出てしまった。
「セレスティア大丈夫か!?」
そこに声と同時にルッツが現れた。
「え?ルッツ?」
急にルッツが現れたことに、セレスティアは驚いていたが、
「あ、あぁごめん。二人が行ってから、帰ってくるのが遅いと思って探していたんだよ。そしたらセレスティアの大きい声が聞こえたから駆けつけたんだけど・・・」
ルッツはカイエルをジトっと睨みつけて、
「まさか、この男に何かされたんじゃないよな?」
「はぁ?俺が?」
カイエルとルッツがなぜか睨み合っていたので、セレスティアは慌てて訂正をした。
「ちょっ、ちょっと誤解よ!カイエルは何もしてないわ。ちょっと話をしてて・・・その驚いて声がでちゃっただけよ・・・」
「え?驚いたってソレは一体?」
「あー悪いけど、この話は俺とセレスティアだけの内々の話なんでな。てめぇはお呼びじゃねぇんだよ。」
「くっ!」
先ほどカイエルは自分達が隠密で行動していると言っていた建前があったので、それを理由にしたのだ。しかしカイエルは意地の悪い顔をしてたので、セレスティアはソレを見て、溜息を付いていた。
「はぁ。カイエル、そういう言い方はよくないわ。ルッツごめんなさい。確かに内密な内容だから言えないけど、ルッツが心配するようなことではないから、そこは安心してね。」
「まぁセレスティアがそう言うのなら、これ以上は追及はしないけど・・・」
ルッツは釈然とはしていなかったが、言った手前押し黙っていた。
セレスティアはルッツの自分に寄せられている好意についてはいまだ全く気付いておらず、ただ仲間として、自分の事を心配してくれたのだろうなと思っていた。
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