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海里
第0話 はじまり
「もう無理です。私には向いていません」
小さな仕組みのプログラムコードなのに、半日掛けても
立夏は文系出身で、理系出身の同期たちは課された課題をさくさく進めている。立夏だけが全く課題をこなせず、無謀な業種に飛び込んでしまったのではないかと、既に後悔している。
「大丈夫、初めは誰でもそうだから。ゆっくり慣れて行こう?」
耳に掛かる髪を掻き上げながら微笑む先輩は、美人で何でもできて、優しくて入社してすぐに立夏の憧れの先輩になった。
それでもできない立夏に毎回つき合わせて、仕事の手を止めさせることへの自責の念はある。
「でも……私は文系だし、向いていないんだと思っています」
「わたしも文系出身よ。1年も経てば分かると思うけど、文系か理系かなんてすぐに区別つかなくなるから」
緩いウェーブの髪が魅力的な先輩は微笑んで立夏の頭を撫でてくれる。
「一から一緒に見ていこう?」
嫌な顔一つせずにそう提案してくれた先輩に、涙を腕で拭いながら立夏は肯きを返した。
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