国に酬いる
ふぉーと
プロローグ
半年前
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
人が走る音が狭い路地に響いた。エリルイトはトレーニングのため毎晩この時間は日課のランニングをしていた。
タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、、、、、、
自分の家の近くの路地まで走ったところで鼻に突き刺さるような匂いとともに声が聞こえた。
「こいつらで全部か?」
「いや、1人足りないが結局家ごと燃やすんだし、わざわざ探さなくていいだろ」
「にしてもこの家無駄に広くて手こずってしまったわ」
「ほんとだよねー、妨害陣を張るのもたいへんだったよー」
「無駄口を叩くな、さっさと燃やして帰るぞ」
激しく燃え広がる家、それを路地裏からこっそりと覗き見る。その家が自分の家であり、さっき話していた奴らの言葉から自分の家族が既に殺されていることを理解するのには15才のエリルイトには時間が必要だった。
家に火をつけた5人が立ち去る音を聞いたエリルイトは燃え上がる家の中へと入っていった。中では妹、姉、両親までもが無惨に切り裂かれた姿を目にした。
「あああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
郊外中に響き渡る叫び声、それは家族の死を悲しんでいるようで同時に、憎んでいるような声でもあった。
家が倒壊する寸前、エリルイトは家にあった短剣を持って家を出た。
そこからは、行き場のない孤児のように路頭に迷う生活を送っていたエリルイトは、ふと親戚の家が隣町にあることを思い出し訪ねた。
家が火事にあい自分だけが生き残った旨を伝えると、親戚は彼を家に招き入れ面倒をみることを約束してくれた。
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