こんにちは、最悪な二日目〜パート1〜
寝て起きたら知らない国にいました。
なんて、何処の小説だよって思っていたんですけど、これが実際にあり得るのだから人生は面白い。
二日目の朝。目を覚ますと見慣れない天井に、硬すぎるベッド。自分の匂いがしない布団を見て、やっと自分が異国に来ているんだと気づきました。その時思ったんです。何があっても人って案外寝れるんだなって(笑)
そこそこ長い時間寝ていたのか、起きるとすでに9時を回っていました。昨日はほとんど何も食べずに寝てしまったのでお腹空いていました。すると、A ちゃんが「今から朝ご飯買いに行かない?」と誘ってくれました。
気を遣ってくれたのか誘ってくれた彼女は私を一つの露天?のような所に連れて行ってくれました。確か、その時食べたのは『馒头(まんとう)』と言う日本で言う肉まんのような物です。あやふやなので申し訳ないのですが、確かお肉が入っているのを二個程買って学生アパートの共用場所である一階で食べました。
久しぶりに食べた食べ物は温かくて美味しくて、自分が生きていることを実感しました。人って、緊張している時や混乱している時ってお腹空かないんですよね。というより、お腹空く感覚が無いんですよ。ご飯よりも、これからのことをどうしよう、とか。色々考えて心を削っているのでお腹が空いていることに気がつかないんでしょうね(笑)
ご飯を食べた後、部屋に戻ってから親に電話しました。
実は1日目の時点で電話はしていたのですが、夜だったので親は何も出来ませんでした。あとから聞いた話だと、心配で心配で夜も眠れなかった、と言っていました。そんな私の親、この時はマミー(お母さんのこと)だったんですけど、二日目の朝から私の大学に直談判するために車で行動していたそうです。
私のマミーは普段は温厚でニコニコしてるんですけど、怒ったらもーう誰にも止められないw まぁ、そう言う方なので同行者として私の彼氏”の”お母さんが一緒に行ってくれました。いわゆる、ストッパーってことですね。
そこで色々話し合い(笑)をしたそうなんですけど、それはまた別の時にでも書きます。
マミーが日本で色々奮闘している中、同じタイミングでカナダに留学していた友達と電話していました。向こうはもう夜だったのかな?正反対の時間帯でしたが、私はあったこと全て話しました。
友達は「え、やばいじゃん。うちらも問題があってパニックになったけど、しろの方がやばいじゃん」と言っていたので相当私は大変なことになっていたのでしょう(他人事)
そんな感じで話していると、どうやらマミーの交渉が成立したようで、中国の大学側から来たサポーターの方々がいらっしゃいました。最初は中国語だったんですけど、何言ってるか分からなかったので英語で話してもらいました。
内容は、「あなたの大学から連絡が来て話を聞いた。今から、大学内の寮に移ることが出来るけど、どうする?今決めて」でした。昨日までの私ならきっと即答で「イエス」だったんですけど、実はその時迷っていたんです。
だって、今の今まで助けてくれたA ちゃんを切り捨てることになってしまうのではないのだろうか、と考えたからです。
こんな所で究極の選択をさせられるとは思ってもいませんでした。
私は悩みに悩んで、「移ります」と答えました。
私の返答を聞いた彼女たちは早口でどうするかを説明し、色々話されたのですが私はイマイチ分かっていませんでした。とりあえず、迎えが来るからとのことだったので急いで準備をしていると、おそらくさっきの話を聞いていたAちゃんが声をかけてきたんです。
「しろ、あなた学内に引っ越すことになったの?」
「あ、うん。そうなの。ごめんね、ここまで案内してくれたのに。私、どうしても学内が良かったから」
申し訳ない気持ちが胸の中でいっぱいになって、涙が自然と溢れました。嫌われるかもしれない、本当にそう思ったんです。だって、せっかく助けてあげた子が自分を出し抜いているんですよ?嫌な気持ちになるに決まっています。
ですが、彼女は違いました。
「何で謝るの?しろは悪いことしてないし、助けたのは友達だからだよ?新しい所に行っても頑張ってね!」
笑顔で彼女は私を送り出してくれました。その言葉を聞いた時には、ボロボロと涙を零してお礼を言いました。いつか彼女にお礼をしなければ。彼女には無理でも、遠回しにでもいいから困っている人がいたら助けよう、そう思えました。
準備をして、事務所に向かってからは寮母さんに色々言われたのですが、もちろん分からないので何と無く訳された英語を聞いて車を待っていました。
「この人と一緒に乗るからね!」と言われた人が勝手に外に出たときはめちゃくちゃ焦りましたね(笑)話を聞きに行ったら、何やら一緒にいた中国人?の人にキレられて終わりましたw
今思い出してもムカつきますね(怒)別に、そんなに怒らなくてもいいのにねぇ?
そんなこんなで大学に着いた後、学生登録をしないといけなくなったので、多くの留学生が集まる建物の中に大きな荷物を二つも抱えて入って行きました。
<パート2へ続く…>
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